たまにオモチャ屋さんをのぞくと、ついついミニカーのコーナーで足をとめてしまう。今回も何年振りかで、ミニカーを物色したのだが、珍しいアストンマーティンがあったので、迷わず勝ってしまった。
トミカは、通常のシリーズとは別に、恐らくは大人向けとしてプレミアムシリーズを販売している。お決まりの名車が対象になるから、すでに僕のコレクションに入っているものが多いが、アストンマーティンは初めて見た気がする。
それもDB5。アストンマーチン(当時の表記はこうだ)は、小学生の僕のお気に入りのスポーツカーだった。ボンドカーで有名だったが、当時の僕は自動車図鑑のモノクロの写真の印象から好きになったのだと思う。
丸型のヘッドライトと開いた口みたいなグリル。やや古風なフロントマスクが、いかにも英国のスポーツカーらしく思えたのだ。後のDB7やDB9は、そのイメージを残しつつも現代風のデザインになったのが少し残念だった。
僕が今でもポルシェが好きなのは、主力の911の流れをひくシリーズが、洗練されながらもカエルのような当初のイメージを守っているからだろう。
アストンマーチンを手に入れて、久しぶりに自分のミニカーコレクションを箱から取り出して並べてみた。大部分がトミカ。ライトなファンだけれども、それでもずいぶんお世話になった。
翌日、街を歩くと、今度は街にミニカーがあふれているように見える。しかし似たようなデザインの車ばかりで、車の名前はまったくわからない。もう何十年も車を風景としか見ていない生活を送ってきたのだと気づく。