大井川通信

大井川あたりの事ども

スマホをこわす男

フォークナーを読んで、人間が意識が先回りするままに行動してしまうことや、上の空に何かをしてしまうことの描写にリアリティがあると思った。

僕も実際、何かに夢中になると、あれよあれよを突き進んでしまい、あとから何でこんなことをしてしまったのかと悔やむことがたまにある。

3月にスマホの契約を変えて、機種も新しくした。iPhoneからアンドロイドのしかも格安の機種にしたから、とても使いにくい。妻はそうそうにiPhoneに買い替えたが、僕はまるで使いこなせないままに手元においていた。

ある時、充電器の先(端子というのだろうか)がうまく差し込めないことに気づく。種をあかせば、古いiPhoneの充電器を勘違いして、無理に入れようとしていたようだ。

それでアンドロイドのUSBポートの中を覗き込むと、そこに突起物がある。充電器の端子の先が乙型になっていて、それをくるむように差して充電するしくみになっているのだ。しかし、以前のiPhoneにはこんな突起物はなく、ただの空洞だったから違和感があったのだろう。

なんでそんなことを考えたのか今となってはわからないが、この突起物が何かの関係で間違えて刺さった異物だと思い込んでしまったのだ。妻の工具からニッパやピンセットを借りて、それを引き出そうとしたからたまらない。繊細な部品はすぐに壊れてしまった。

こう書くと本当にバカみたいだが、細かい思い込みや勘違いがつながってここまで突っ走ってしまった。途中で引き返すタイミングはあったはずだが、気になりだすとそれをやってみないとすまない性格(夢中になりやすい)性格が災いしたのだろう。それだけでなく、感情のコントロールが効かなくなる老化が影響している気もする。

翌日には携帯ショップに行って、また面倒な交渉と手続き。やれやれ。

 

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