大井川通信

大井川あたりの事ども

マシュマロヨーグルトとバターごはん

妻はよく「マシュマロヨーグルト」を作る。ヨーグルトにマシュマロを入れただけのもので、次男が好きでよろこんで食べている。もう何年も前からのことなのだが、この手作りデザートの由来を最近初めて知った。

東京の実家に帰省したとき、僕の母親が次男のために作って食べさせていたそうだ。それを真似して妻が作って、次男に食べさせているらしい。(たぶん、妻自身も好きなのだろう)

ちょっとしたことだけれども、誰かの技が残されて、その誰かの痕跡がそれと知らずに受け継がれていくのは面白いと思った。

僕の両親は、戦中戦後の貧しい時代に育ったから、料理については無頓着だったと思う。むしろ簡単に食事をすます工夫を知っていて、父親がたまにバターごはんをつくるのを見ていた。

熱々の白ごはんの中に、バターをひとかけら埋めて、上からお醤油を垂らして食べるのだ。バターが溶けてごはんとなじみ、それを醤油味で食べるのは、けっこう美味しい。

あるときふと、長男がそんなふうにごはんを食べているのを発見した。小さいころから何度も実家に帰省する中で、いつのまにか祖父から学んだのだろう。