僕が初めに黒住教に関心をもったのは、地元の黒尊（くろすみ）様と関係があるかもしれないと考えたためだ。黒尊様がまつられた幕末の年代と、黒住教の布教の時期は一致するし、黒尊様が「中国地方」から勧請されたという情報と、岡山が立教の地である黒住教とは符合する。なにより名前が似ている。
それで10年以上前だと思うが、八幡の黒住教会を訪ねたことがある。応対に出た方も黒尊様のことは知っていて、関係はないだろうということだった。教祖である黒住宗忠の逸話集をいただいて別れたのだが、その人の蔵書らしく名前が記入された本だった。
その後市内にも教会があるのを見つけてのぞいたことはあるのだが、人気がなく、活動している雰囲気はなかった。今回、次男の職場がその近くになったこともあって、久しぶりに訪ねてみると、わずかに人の気配がする。
ちょうど黒住教の経典抄も読み終えたところだったので、思い切って声をかけてみると、出てきた方は、なんと以前八幡教会で本をいただいた方だった。宗像の教会の管理も任されるようになって、月に一回くらいやってくるだけだという。ただ、教会の歴史は八幡よりも宗像の方が古いということだった。
いつか機会をみつけて、祭礼にも参加してみたいと思う。
