大井川通信

大井川あたりの事ども

旅先のミヤマガラス

職場近くの公園でカラスと遊ぶようになってから、いっそうカラスのことが気になるようになった。とはいっても、カラスはたいていどこにでもいて、見た目もまっくろでいっしょだから、どこで見かけようと特別に目を引くことはない。

例外は千羽カラスで、たくさんの数の密集したカラスの群れだ。ハシブトガラスハシボソガラスなどの日本のカラスでも、餌場やねぐらに集まるときは一時群れになることはあるが、それとは密度が違うし、集団行動の一体感も違う。

毎年冬近くなって大陸から渡ってくるミヤマガラスの群れを見る機会は、春先に帰るまでの間に何回かはあったように思うが、見過ごしたシーズンもあったかもしれない。

今シーズンはまず、11月26日に熊本県の人吉盆地で、ミヤマガラスの群れを見かけた。それほど大きな群れではなかったが、街中の電線にずらっと並んでいる姿から、すぐにそれとわかった。九州山地をこえてずいぶん遠くまでやってきているものだ。

次に見たのは、12月4日に、福岡県の柳川の農耕地だった。こちらの群れも多くはなかった。旅先で見るミヤマガラスは、お互いに故郷を離れた旅の途中というわけで、特別な郷愁を感じる。

残念ながら、まだ地元ではミヤマガラスの群れにあっていない。11月以降、土日に出歩くことが多く、地元を歩けていないせいもある。髙い空まで上昇して渦巻くように飛ぶ群れの姿を、またじっくり見てみたいものだと思う。