大井川通信

大井川あたりの事ども

久しぶりに新聞を開く

コメダコーヒーでは、一般紙とスポーツ紙が読めるから、モーニングを食べながら、ざっと目を通してみる。新聞は紙面があたかもイデオロギーに統一されているかのように批判を受けることがあるが、こうして久しぶりに読んで気づくのは、あまりに雑多な情報がきれいに紙面にはめ込まれていることだ。

情報の内容のふり幅がすごい。これだけのバラエティ豊かな記事を短時間で一望できるのは新聞の強みだろう。購読を止めて一年半たつが、取り逃がしてきた有益な情報は多かっただろうとちょっと心配な気持ちになる。職場や図書館で、あるていどまとめてでもフォローする習慣が必要かもしれない。

訃報欄に、戦後詩人の天沢退二郎の名前がある。一時代のスターだったが、僕は読む機会はなかった。昨年亡くなった安部さんが、「あまたいの詩は、二行ずつ読めばいいんだよ」と言っていたのが記憶に残っている。

西原春夫先生の訃報は、先日ネットの動画ではつらつと講演する姿を見たばかりだったので、驚いた。法学部の学生時代、解釈法学の無味乾燥な講義の中で、西原先生の人間味あふれる話は面白く、先生の似顔絵を描きこんだ著書『刑法総論』は、法学の専門書の中で唯一手元に残している本だ。のちに大学総長になり、80代になっても国際的な視野の活動を続けるなど、器の大きな学者だった。冥福を祈りたい。

柄谷行人が、某新聞社の賞を受賞したインタビュー記事がある。昨年出版された大著『交換様式論』が読みさしのままだったことを思い出す。長年のファンとして、放置しておくわけにはいかない。

全国紙二紙で、絵本作家の鈴木のりたけが大きく取り上げられている。職業紹介の絵本と、子どもの様々なピンチを扱った絵本がそれぞれ紹介されている。近年の絵本のマイブームの中で僕の発見した作家の一人だからうれしいし、新聞の諸事全般にわたる情報収集力の高さには舌を巻く。

 

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