大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(神保さんの個展)

風邪をひいて職場を休んだ。風邪薬を飲んで、一日寝ている。そんな寝苦しい眠りの中で、こんな夢をみた。

 

自分の住む住宅街の岡をくだって神社の敷地に向かっているが、調整池がなかったり緑が深すぎるなど、現実とは様子がちがっている。「夢だからこうくるのか」と半ば楽しみながら神社に入ると、ここでは拝殿が広くて立派だ。中に入ってお参りしていると、あとからお参りのために入って来る人がいる。声をかけると、理解できない暗号みたいな言葉を話す。神社の門前に出ると、そこは荒れ地みたいになっていて、参拝客の車が駐車してあるが、どれもナンバープレートがない。どうやら彼らは異星人のようだ。しかしこんな話は「ウルトラマン」にはなかった、僕が見なかった「帰ってきたウルトラマン」の中の話ではないか・・・

ふと気づくと、美術館らしき展示室に立っている。今のシーンは、展示を見ることで夢の世界が体験できる作品の特殊効果だったのだ、と後付けで納得する。

そこは詩歌を読む読書会でお世話になっている神保さんの個展だった。神保さん自身の姿を撮った写真が並んでいるが、写真のなかの神保さんの顔が仮面のように単純化していき、実物のビニールの仮面の展示に続いていくという趣向。これはこわかった。

壁面に巨大な魚の絵が展示されていて、長文の詩が筆記されている。その中の「さ」と「ば」の文字に印がつけられていて、サバの絵だとわかる。詩の内容はたいしたことないが、あのアイデアはちょっと面白いねと見物客が話しているのが聞こえる。

サバの絵は二枚。夢導入装置に仮面のテーマもあって、小さいながらなかなか面白い展覧会だと思った。