大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(村の賢人の新展開)

村の賢人原田さんが、またまた驚くような新展開をみせた。「哲学入門」というタイトルの本を出版したのだ。中身を見ると、森林の木を伐採したらどうなるか、というような具体的な問題に対して、子どもたちに賛否両論を議論させたうえで、賢人の考えを述べる構成になっている。

タイトルと中身が違っているようだが、それはいい。賢人の目的は、今の文明のあり方に警鐘を鳴らすことだから、子どもたちに現在の課題を考えさせるという方法は正しいと思う。実際、子どもに読ませたいという大人たちの評判は良く、相当の数が売れ始めており、第二弾、第三弾の用意もあると、賢人は得意そうだ。この調子なら、かなりの収益もあるだろう。

しかし、僕には不安があった。賢人のモノの見方はかなり独特だ。よく読めば、誰もが納得する正論ではないことが気づかれてしまうだろう。そうなったときに、読者から批判や苦情に対応できるのか。たとえば学校の副読本のようなものとして広く使われるためには、客観的な視点を取り入れるなどの工夫が必要になるのではないか。

成功に浮かれている賢人に、僕はなんとかこのことを伝えようと焦った。身近な賢人の成功に嫉妬して横やりを入れているのかもしれない、という自覚もあった。しかし僕は自分のアドバイスが間違っているとも思えない。

屋台のような店で自著を扱う賢人に向かって、食ってかかるみたいに僕は議論をしかけていた。