大井川通信

大井川あたりの事ども

積読街のビル看板

このブログでは、「積読」という用語の登場頻度が多い。あまり一般的な言葉ではないだろうから、多少後ろめたく思ってはいるのだが、買った本をすぐに読むことがまれな僕のふるまいを、これ以上便利に表現する言葉はないのだ。

そんな僕には、ねがったりかなったりのアイテムが、ガチャガチャに登場した。積読というくらいだから、まだ読まれていない本が、本棚に正規に収納されていない状態、つまり積まれた状態であることが、この言葉の語感にふさわしいだろう。

そんな本が堆く積まれた状態をビルに見立て、積読ビルが並ぶ状況を街路に見立てようというわけなのだ。その見立てのためのツールが、横置きの本の間に差し込める電光看板の縮小模型というわけだ。

これはすごいアイデアだ。確かに、身近にあるアイテムの縮小模型は、ガチャガチャでの定番商品となっている。水道の蛇口やドアのノブ、マンホールの蓋や工事現場のコーン、電信柱や非常階段にいたるまで。

これらには、通常は生活の文脈に埋もれているアイテムをあえて切り取って、縮小してもてあそぶという面白さがあるのだろう。しかし、それだけのことだ。

内部から光るビル看板の縮小模型をただ作りました、という段階にとどまるわけだ。しかしこのガチャガチャは、これを使って、目の前の無意味で退屈な積読の堆積を、素敵なビル街に変貌させてくれる。「縮小」の魅力に「見立て」の面白さが加わるのだ。

ガチャガチャコーナーを物色しても、なかなか手に入れたいという商品には巡り合わない。しかし、これはという商品は、出会いがしらに刺さってくるのだ。その刺さってくる所以に理屈をつければ、以上のようなことになるという次第。

 

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