大井川通信

大井川あたりの事ども

今年のカイツブリ

ここ何年か、カイツブリの営巣を見かけることはなかった。昨年秋には、卵を産んだものの不安定な巣を維持できなかったようだ。

今年は早い時期からババウラ池の水量も豊かで、カイツブリの子育てを久しぶりに見ることができた。池のふちには土の部分がいくらか残されていて、そこから樹木が張り出している。その樹木は数年前に短く伐採されたのだが、徐々に回復して今年はずいぶんと茂っている。カイツブリが浮き巣をつくる環境が良くなった半面、木々が邪魔になって巣の場所がわからない。

そんななかで6月には大人のペアのほかに3羽のヒナを確認することができた。6月末には、ヒナたちの飛行訓練を見る事ができたので、そのあと無事池から巣立っていったと思う。

ところで池の東端には倒木が一本倒れていて、昨秋水に浮いた倒木の枝に営巣しようとして失敗したのだった。そのあと水抜きをしたあとで、池の中心近くの手前側で、枯れ木が一本地面にさして立ててあるのに気づいた。実用の意味はないだろう。

池に水がためられて満水になっても、その枯れ木の先だけは顔を出している。それにカイツブリが目をつけたのだ。あたらしいカップルかもしれない。いつのまにかその枝の周囲に浮き巣を作って子育てを始めていた。

目立つ場所だが、細い枝先にはカラスも止まれないし、周囲は水面なのでヘビも近づけない。枝にルーズに結びつけられた浮き巣は水面が上下しても浮袋のように浮いたまま水に流されることもない。7月には子育てを発見して(ヒナは2羽だったと思う)、最巣で休むヒナの姿を見かけたのは8月2日だった。そのときは親鳥が巣の近くを泳いでいたから、エサをあげていたのかもしれない。

今朝見ると、枝の回りの浮巣はすっかり姿を消していた。浮巣は落ち葉や小枝、ビニールごみなどを集めて作ってあるため、親鳥がメンテナンスをやめると、すぐに崩れてしまうのだ。

もうヒナたちに不要となった浮巣は放棄されたのだろう。ヒナたちは池のふちの樹木の下をねぐらにしながら成長し、遠からずこの池から飛び立っていくのだろう。

 

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