大井川通信

大井川あたりの事ども

取っ手 DIY

シャワーの交換がうまくいったことに調子にのって、「家事・DIY」のカテゴリーまで作ってしまった。次にできることはないか?

そういえば、お風呂場(ユニットバス)の扉の内側の取っ手が取れてしまっている。長男が見かねてボンドで接着してくれてしばらく使っていたが、それもはずれてしまった。他の家族がどんな開け方をしているのかわからないが、僕はS字型の針金で、取っ手のついていた金具の穴を引っ掛けて開けている。しかしこれは不便だ。

そこで、その金具に荒縄を縛って短く垂らすことにした。この縄が取っ手の代わりになる。妻は見栄えが悪いと不満そうだが、応急措置としてはこれでいいだろう。

考えてみれば「取っ手」とは不思議なものだ。使えなくなってその小さな部位の大きな働きを知ることになる。扉や窓は、内と外という二つの世界をつなげる特別な媒体だ。しかし開閉式の扉や窓は「取っ手」という小部品なしには自在にその働きをすることはできない。たんなる壁や仕切になってしまう。社会学ジンメルなら、この間の事情を明快に解き明かしてくれることだろう。

余計なことを考えていたら、僕には放置している取っ手が別にあることを思い出した。僕の家は販売会社が「輸入住宅」を売り物にしていて、内装に木材が多く使っている。部屋の入口だけでなく押入れにも大きな木製の扉が使われている。開くと左右にたたまれるタイプだ。これには裏からネジで直接に木製の取っ手がつけられているが、取り付けがよくなくてネジが効かなくて取れてしまった取っ手が二つある。

ねじ込み式の木製取っ手キットを買ってきたが、材が厚すぎて付属のネジでは届かない。必要なネジのサイズ(太さはM4で、長さは50mm)をメモして、ナフコで買って戻ると、取っ手側のネジ穴にピタリと入った。

おそらく20年ぶりくらいの取っ手の完全復活だ。プチとはいえ、これぞDIYと悦に入る。