大井川通信

大井川あたりの事ども

埴谷

CDで埴谷雄高の洒脱な語りを聞く。

台湾での少年時代、空気銃でスズメを撃ち落とした経験が、自分の文学につながっている、と。

しかし、そのスズメは比喩であって、本物の他者でないようにも思える。鳥を眺めながら、ただ暮らしている者からすると。

 

ミヤマホオジロ

神社の崖下の草むらに、ミヤマホオジロが来ている。

スズメのような地味な身体に、派手な黄色いマスクをかぶって。

真っ黒なサングラスに、逆立てた髪。

小鳥レスラーのマスクマン。

クロスミ様

1年以上ぶりに、クロスミ様にお参りする。初詣になるので、梅酒の小瓶をおそなえして。

林道の途中で、初めてウソに出会った。黒い頭に鮮やかな朱色のマフラーを巻いたような、天神様のあの小鳥。
アトリの冬羽の雄や、アオジシロハラにも会えて、里山に、もっとおいで、と招かれたようだった。