大井川通信

大井川あたりの事ども

本の話

『あるく武蔵野』 横田泰一 1976

子どもの頃の蔵書の復元が完成したと豪語したばかりだが、ここにきて欠けていた重要なピースを手に入れることができた。 50代になって、さも新しく発見したかのように「大井川歩き」を唱えているが、その原型は子どもの頃の武蔵野(多摩)歩きにあった。すっ…

姉弟の『武蔵野風土記』

多摩歩きのガイドブック『武蔵野風土記』を手に入れたことで、僕の子ども時代の蔵書再構築プロジェクトはほぼ完成した。本の汚れ等に敏感な僕の場合、ただ集めればいいというのではなくて、一定程度の「美品」であることも大切だ。こんなことができたのもネ…

『武蔵野風土記』 朝日新聞社編 1969

国立駅前ロータリーから南東方向に伸びる旭通の端に近いところにあるユマニテ書店で、とうとう目当ての本を見つけることができた。書名がわからずに探しあぐねていた本だ。実は相当前にこの書店で古びたこの本を見つけたことがあったのだが、おそらくその時…

ヤングアダルト本研究会を見学する

数年前、図書館司書の資格のための勉強をして、YA(ヤングアダルト)本というジャンルがあるのを知った。日本語の語感からは、何を表しているかはわかりにくい。簡単にいうと、中高生くらいをターゲットにする本の総称だ。 子どもの本というと、やはり小学…

勁草書房の哲学思想論文集

大学では法学を専攻したが、当時の専門書や教科書はほとんど捨ててしまった。趣味の哲学思想関連本の方がまだ多く手元に残っている。 今回、橋爪大三郎の『仏教の言説戦略』(1986)を読んで、勁草書房のA5版の単行本シリーズが、当時の僕には別格の重みが…

「意識高い系」読書会

今月の吉田さんとの勉強会は、僕の方は菅孝行の自伝がらみで特に映画会社時代のエピソードを報告したが、吉田さんからは最近参加した読書会についての感想メモの提出があった。読書会については僕はいろいろな経験をこの場で話題にしてきたが、吉田さんから…

実践発表型ビブリオバトル

初めて主催者側として、ビブリオバトルの運営の手伝いをした。バトラーや観戦者としてだけでなく会場設営などのボランティアをしたことはあるが、運営側となるとまた別の経験となる。もっとも仕事としては様々な研修会の主催や運営側に立つことも多かったの…

どうあげ先生と議論する

吉塚駅前のシアトルズベストコーヒーで、どうあげ先生と待ち合わせる。どうあげ先生は、もう10年以上のつきあいになる思想系の読書会仲間だが、この一年くらいは会をお休みしているから、ひさしぶりに話をすることになる。「どうあげ」は実は僕のつけたあだ…

あの紙の輪回しを教えてくれたのは・・・

子どもの時の懐かしい本はこれだけで終わり、と断言してしまうと急に不安になる。あわよくば見つけたいと心に引っかかってきた本が、もう一冊くらいはあるのではないか。 大人になってから本屋さんや図書館で、子どもの工作の本の書棚の前にたちどまって、背…

あの多摩歩きのガイドブックは・・・

福音館小事典文庫の「ことわざ辞典」も手に入れて、いよいよ僕が執着する子ども時代の本も少なくなった。何度も思い出して懐かしく思うような本は、もうあと一冊、といっていい。 僕は今、大井川歩きと称して地元歩きをやっているが、振り返ってみると、子ど…

「福音館小事典文庫」と再会する

僕は本好きなのにも関わらず、子どもの時の本をほとんど処分してしまった。これは同じく本好きであるにも関わらず、蔵書を本棚一箱に厳選していて、本を整理するのが趣味だった父親の影響、というかほとんど強制による。学校の教科書はおろか、子ども向きの…

安部文集が届く

納期よりかなり早く安部本が届き、思わず声をあげる。 表紙の紙質とデザイン、そして巻頭の肖像写真とその印刷が秀逸だ。この外側の部分にプロの手が入っているために、見栄えがちがう。 白い表紙の中央より少し上目に薄いグレーの大きな長方形が横に置かれ…

本を速攻で処分する

定年前の二年間、ある事務所の所長を務めたとき、自分には読書くらいしか武器はないのだからと、仕事の関連本をひたすら読んだ時期がある。それを自分の執務室の書棚に読了順に端から並べていった。 読了本を背景にして仕事をするのは、自信にもなったし、多…

『手品と奇術の遊び方』 大野萬平 1973

永岡書店の実用百科シリーズの一冊。 古書店を見ていたら、店外に置かれてる棚の本のなかに見覚えのある背表紙のこの本を見つけた。手に取ってみると、装丁も挿絵も記事もみな懐かしい。僕が小学6年生の時の出版だから、まちがいなく手品のマイブームのさな…

『機械の図鑑』 小学館の学習図鑑シリーズ24 1962

以前から、少しずつ子どもの時の蔵書をネットで見つけては買い集めている。整理好きの両親の影響があって、それらはすべて処分してしまっていたからだ。 小学館の学習図鑑はなつかしい。僕は当時から、本を読むことより、本をながめることが好きだったのだと…

『偕成社/ジュニア版 日本文学名作選』 全60巻 1964-1974

僕が子どもの頃、おなじみだった赤いカバーの近代日本文学のシリーズ。ポプラ社にもよく似たシリーズがあったけれども、偕成社版が本物のような気がしていた。やや小ぶりだけれども厚めのハードカバーで、江戸川乱歩シリーズやホームズやルパンのシリーズと…

『小学館/少年少女世界の名作文学』 全50巻 1964-1968

実家の隣の従兄の家にあった子供向け文学全集。 僕たち姉弟は、隣の家を図書館がわりにしていたから、このシリーズにもだいぶお世話になった。僕は拾い読み程度だったけれど、本好きの姉は全巻を通読していたのではないか。 一冊がかなり大きく分厚い本で、…

『初心者のための天台望遠鏡の作り方 屈折篇』 誠文堂新光社 1967

子どもの時の懐かしい蔵書シリーズ。ブルーの地味な表紙の薄い本と、再会を果たせて感無量だ。 1940年生まれのエコノミスト野口悠紀雄さんの本に、子どもの時、天体望遠鏡を自作したことが書いてある。おそらく、1950年代には、レンズ等を購入して、あとは自…

『科学の学校』 岩波書店編集部 1955

五巻セットの本が届く。箱はだいぶ古びているが、中身はきれいで思ったより状態がいい。長年心の片隅にひっかかっていた本を手にして、感無量だ。 敗戦後まだ10年の年に出版された子どもむけの科学の本。各巻は「宇宙と地球」「生物と人間」「物質・熱・光」…

『世界の戦闘機』 秋本実 1969

勉強会仲間の吉田さんに、近頃子どもの時の本を集めているという話をしようと思って、たまたま届いたばかりのこの本を持参した。すると彼の目の色が変わる。吉田さんもかつて飛行機好きの子どもだったのだ。それでしばらく、スカイホークやらイントルーダー…

『日本のパワーエリート』 田原総一郎 1980

1980年は、僕が高校を卒業し大学に進学した年だ。時代の大きな変化は、その少し前から始まっていたが、巨視的にみれば、消費社会が成立し、ポストモダンといわれる時代が始まるメルクマールとなる年に区切りよく環境が変わったのは、振り返りには便利である…

『滅びゆく武蔵野』 桜井正信 1971

今日届いた古書。武蔵野の古刹や風物を写した本で、モノクロの写真は重々しく、解説も文学的で重厚だ。思い出深い本だが、市立図書館で借りていたもので、自分の本ではなかった。 僕は、中学生の頃、地元の寺を訪ね歩くのが好きだった。多摩地区だから有名寺…

『鳥の博物館』なぜなぜ理科学習漫画 1966

僕が子どもの時から学習漫画というものはあったが、自分で持っていた記憶があるのはこの一冊だけだ。出版時期や内容からいって間違いないだろうと注文したのだが、郵送で届いた本には、古い友人に再会した感激はなかった。こんな本だっけ。しかし、ところど…

『航空の驚異』 小森郁雄 1971

少年少女向きの固めの評論のシリーズだったポプラブックスの一冊。本の後ろのページにあるポプラブックスのラインナップを見ると、興味深いテーマが並んでいるが、僕が読んだのは、他には『公害のはなし』くらいだ。その本では、アメリカの市民運動家ラルフ…

子どもの頃の本をあつめる

僕は子どもの時の本を一冊も持っていない。絵本や物語や図鑑、教科書も含めて。大人になってから懐かしくて手に入れたものはあるが、現物として残しているのは、せいぜい高校の時の本が数冊あるくらいではないか。 父親も本しか趣味の無い人だったけれども、…

本の話

先日テレビをながめていたら、ある書店員の日常が映されていた。本屋大賞の運営に関わるようなカリスマ店員のようだ。しかし彼女の自室には、小さな本棚しかなく、読んだ順番に乱雑に並べているだけだった。しかも本の山が雪崩を起こしたら、その部分をゴミ…

新潮文庫の棚

もう20年近く前になるだろうか、この街の国道沿いの書店でのことだ。そこはレンタルビデオ店を併設していたので、家族でよく利用していた。その書店が閉店して、子ども向けの体操教室に建て替わってからは、ファミレスやコンビニなどがあるそのショッピン…