大井川通信

大井川あたりの事ども

2024-01-01から1年間の記事一覧

老害をメタ認知する

ネットで何気なく短い動画を見ていたら、スーパーのフードコートらしきところで、中学生くらいの若者を叱る老人の動画があった。別のお客さんがスマホで撮影したものだろう。 前後の経緯はわからない。老人が大きな声を上げているから、店員も話を聞いている…

行橋詣で(2024年7月 祈願大祭)

正直に書くと、行橋詣でを予定した日で、当日の朝にどうしようかと参加を迷ったのは今回が初めてだった。土日と大祭が重なる絶好の機会である。昨年の訪問からちょうど一年の記念月だ。銘酒獺祭も手に入れてある。 何とか間に合うように家をでて電車を乗り継…

セミの抜け殻の消失

今年は、異常気象で、桜の開花も例年よりかなり遅かった。一方、セミが鳴きはじめはいつもより早かったような気がする。クマゼミの成虫が家の前の道にひっくり返っている姿を見たのは6月30日だったし、梅雨明け前の7月前半から、家の周囲でも、職場の近くの…

『漢文脈と近代日本』 齋藤希史 2007

出版当時から読みたかった積読本。今回読書会で漢詩を読むことをきっかけにして、ようやく読み通すことができた。この本を読むことで、従来まったく知識も理解もなかった領域に見通しを持つことができた。 中学、高校で勉強させられて、大学受験で解かされた…

『涼宮ハルヒの憤慨』 谷川流 2006

涼宮ハルヒのアニメにはまったのは、8年前の2016年で、生まれて初めてライトノベルを手に取って、『憂鬱』と『溜息』の二冊を読んだ。その時、スニーカー文庫のシリーズを半分くらい買いそろえておいたのだが、例によって積読になっていた。 今回アニメと映…

イボ・黒子・こぶ

ムラを歩いていると、小さな祠や石仏で、イボ取りの効能が伝えられるものがある。目の病気や耳の病気に効くという専門医のような神様の存在のありがたさはわかるような気がするが、イボ取りにも意外に普遍的な需要があったのだろうか。 今回は尾籠な話で申し…

東京ダイアリー(1987-1990)

80年代末の同時代シンポの記録を調べるために、久しぶりに「東京ダイアリー」というタイトルのつけられたバインダーを手に取った。 僕は22歳まで生まれ育った東京で暮らして、そこから3年間、仕事で福岡の小倉で生活した。会社を辞めて、東京の実家で3年間暮…

同時代シンポの思い出

今日は、岡庭昇さんの忌日だが、著書を読み返す余裕がない。思い出を振り返ることで追悼の意を表そう。 80年代の後半の頃だったろうか。岡庭さんをリーダーとするグループで、月に一回「同時代シンポジウム」という集まりが開かれていた。岡庭さんはそれ以前…

河童読書会課題本リスト(参加会分)

神保さん主宰の読書会が、丸5年を経過して、一区切りをつける公算が強くなった。永遠に続くように思っていたので残念だが、どんな会も始まりがあれば終わりがある。偶然、自分の詩歌趣味を振り返りたいと思っていた時期に始まり、この5年間で詩歌についての…

『曹操・曹丕・曹植詩文選』 2022 川合康三編訳

岩波の厚い文庫本で、聞いたこともない漢詩人の作品を読む。こんなことも読書会ならではなので、今回はできるだけ駆け込みではなく、時間をかけて漢詩にあたるようにした。それなりに収穫があった。 まず、三曹とも呼ばれるらしい三人の人間関係がわかって興…

こんな夢をみた(ゲンゴロウ)

実家の隣の原っぱだと思うが、その全面が掘り下げられて、水がはられ、まるで大きなプールのようになっている。プールと思ったのは、コンクリートが四角く張られているからだろう。 ふと見ると、そこに大きなゲンゴロウの泳ぐ姿が見えた。間違いない、これは…

すごい現象がおきた!

妻とスーパーに行くことになって、準備の早く済んだ妻が先に家を出たので、遅れて玄関の扉を開けると、門の外でケヤキを見上げている妻が、興奮して叫んでいる。 「すごい現象がおきた!」 数日前に、妻がラインで、アゲハチョウの写真を送ってきたことがあ…

『消失』再々見

そんなこんなで、『涼宮ハルヒの消失』をネットで視聴する。以前に書いた感想メモによると、今回は三度目になるようだ。 初見の時に衝撃を受けた設定やシーンを、同じ驚きで受け取ることはできないが、やはり楽しめたし、面白かったし、心を動かされた。 こ…

こんな夢をみた(夕暮れのキャンパス)

母校のキャンパスを歩いている。もう夕方だ。マンモス大学なのだが、人影がなくて、数人のグループが歩いているだけだ。キャンパス中央にある創立者の銅像が、夕闇の中に立つ姿がうっすら見える。 今は校舎の高層化が進んで、路地のような狭いすきまを残して…

ボンちゃんのケツドラム

ネコのボンちゃんが、4歳になった。七夕が誕生日なんて女の子はそうはいないだろう。自慢の娘だ。 最近になって、九太郎とボンちゃんの関係がかなりよくなっている。もともとボンちゃんはフレンドリーだったのだが、九太郎がうなったり、引っかいたりするか…

ハルヒ再見

気晴らしがしたくなって、『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメのテレビシリーズ(2006-2009)を久しぶりにみた。さすがにエンドレスエイト(ほぼ同じ内容が8話連続でループ)は、何話か飛ばしてしまったが。 ハルヒを若い時に体験した世代とは違って、僕がハルヒ…

村の賢人とコメダで議論

コメダ珈琲の駐車場に、軽トラックが停まっている。コメダに朝から軽トラで乗り付けるのは村の賢人原田さんくらいだから、のぞいてみると、案の定、いつも愛用の席でスマホをいじっている。 僕は自分の席を確保してモーニングを食べてから、新聞を取りにいく…

取次と理解

金光教で分かりにくいのは、神様への取次ということだろう。氏子の願いを神様に届けることはわかる。その結果、おかげを受けるということも、おかげをどう解釈するかにもよるが理解できなくはない。 しかし取次は、一方通行のものではなくて、神様からの言葉…

第百生命70周年記念時計

リッカーミシンのメダルが落札できた余勢を駆って、もう一つの思い出深い会社の関連グッズをオークションで購入してみた。 第百生命保険相互会社は、かつての中堅生保で、2000年に経営破綻している。この前後には、日産生命、東邦生命、大正生命、千代田生命…

ヒメハルゼミを聞きにいく

地元が全国ニュースになった集中豪雨も上がったので、鎮守の杜にヒメハルゼミの声を聞きに行った。ヒメハルゼミのピークは6月末から7月の中旬くらいまでの半月ばかりだし、ちょうど梅雨時だから、うかうかしていると聞き過ごしてしまう。 境内の神木と裏山…

行橋詣で(2024年6月 上半期感謝祭)

教会の信奉者の人たちと初めて親しく話をすることができた。昭和二年生まれの96歳の女性も遠方からバスで来られたという。長年の信奉者たちの前で、井手先生のお話もしたしげだ。直会のスイカのおすそ分けをいただき、ひとまず散会。 食事後の一時過ぎにお訪…

大祓の日

一年のちょうど半分が終わった日。今まで意識したことはなかったが、そう考えると大切な振り返りのきっかけになる日だ。神社では、大祓の日といって、区切りのお祭りが行われる日だ。確かクロスミ様の掲示板にも祭日は6月30日(ただし旧暦)と書かれてい…

筑豊の木工展に行く

何年かぶりかで、筑豊の内野さんの工房(杜の舟)に展示会を見に行く。20年以上前に、地元の宗像での出張展示会を見てからのお付き合いで、特に正月恒例の展示会は、その年の干支の木工作品が目玉で、年中行事のように参加していたが、ここしばらく足が遠…

口の中

考えてみれば、内臓以外では、口の中というのは文字通り一番自分の身近な場所だ。ちょうど両目の少し奥くらいに自分の「中心」があるというのが日常感覚だろうから、その中心からわずか5センチ下のあるのが口の中だ。 しかし、この口の中が、ブラックボック…

『父・こんなこと』幸田文 1949/1950

父の書棚シリーズの第一弾。幸田文の『木』を読書会で読んだことをきっかけにして、1955年初版の新潮文庫版を購入してみた。今は幸田文は再ブームの渦中らしく、雑誌ユリイカでも特集されている。 父の書棚の文庫本がわずかだったが、子ども心に印象に残って…

ワコール・リッカーミシン館のメダル

昨年ネットオークションで、万博のワコール・リッカーミシン館の絵葉書を購入した旨の記事を書いた。実は、本当に欲しかったのは、同じパビリオンの記念メダル(文鎮という説明もある)の方だった。 リッカーミシンは僕の父親が勤めていた会社で、企業一家的…

父の書棚の本を読む

父は読書家だったけれど、幸田露伴張りの身辺整理の哲学を持っていたようだから、小さな家にふさわしく居間に一つの書棚を置いて、それに収まるだけの蔵書しか持たなかった。だから、古書店への売却はたえずだったし、書棚に出たり入ったりを繰り返す本もあ…

藤棚とクマバチ

幸田文の『木』を読んでいたら、藤棚に虻(アブ)が飛び交う様子が描かれていた。それはおかしいと思って調べたら、本物のアブは夏に出てくる肉食性の虫だというから、花の蜜に集まるはずがない。どうやらクマバチをアブと呼び慣らすこともあったようで、幸…

『木』 幸田文 1992

読書会の課題本。大井川歩きをまとめている最中でもあって、身近な自然に向き合うことの意味を考えるのに役にたつ読書となった。幸田露伴の次女の幸田文(1904-1990)の晩年、60代後半から80歳くらいまで(発表年1971-1984)の木をテーマにしたエッセイで…

ヒラトモ様の聞き取りを表にまとめる

大井川歩きの成果物をまとめるにあたって、まず始めたのが、地元での聞き取りをテーマごとにエクセルの表にまとめ、聞取り内容を整理して比較することだった。 ヒラトモ様に関しては、15件ほどの聞取りの記録が残されている。やはり発見の年である2014年の記…