大井川通信

大井川あたりの事ども

大井川歩き

ミロク様と山の神に初詣

ヒラトモ様には初詣をすませてあるので、大井の里山の中の別の神様に、お参りに行く。人の出入りがない場所なので、ヒラトモ様以上の難所である。先週末に雨が続いて、道がぬかるんでいるのも誤算だった。 まず、近頃気になっている秀円寺の裏山の石仏にお参…

ヒラトモ様に初詣

昨年11月に風邪をひき始めてから、地元をほとんど歩かなくなった。例年なら年明けには地元の神様に初詣にでかけて日本酒の小瓶を供えるのだが、今年はずるずる遅くなってしまった。体調の問題だけでなく、身近な人間関係のストレス、休日の予定が増えたこと…

平知様発見10年/諸星大二郎降臨5年

雨の土曜日。妻を整骨院に送り迎えしたり、ショッピングモールのカフェで本を読んだりと、平凡で平和な休日の一日を過ごす。 ただし、今日1月20日は、僕には大切な記念日だ。 ちょうど10年前の今日、僕は地元の里山の頂上付近で「幻の神様」だったヒラ…

大井の田んぼの中心で秋を祈る

秋の天皇賞で、世界最強と言われるイクイノックスの快勝とルメール騎手の笑顔のインタビューを見る。僕が競馬のレースを見始めてから、ちょうど二年がたったわけだ。ルメールのファンだから気分よく、日の傾いた大井川流域を歩く。 このところアスファルトの…

馬場浦池「大非常」

夕方帰宅中にのぞくと、馬場浦池の栓がぬかれていて、ごぼごぼと水が流れ出している。このペースではすぐに水はなくなるだろうと翌朝見ると、小さな水たまりをのぞいてカラになっていた。 ため池の年間使用サイクルはよくわからないが、例年この時期に水抜き…

村の賢人のインタビューを決意する

村の賢人原田さんと話すようになって10年になるだろう。この間、対面で一番丁々発止の議論をしてきたのは原田さんだった。いつもではないが、批判めいたことを踏み込んで話したこともある。そういうことができるのも、僕がだれよりも賢人のすごさに感心して…

「やっこみー」におまかせ!

久しぶりに「やっこみー」で会食する。 メンバーは三人。ヒラトモ様参道脇で農園をするアツコさん(ひろちゃんの娘さん)と、その友人で実家で老人ホームを経営するコノミさんだ。それに僕の名前を組み合わせて、この集まりに「やっこみー」というニックネー…

大井川歩き(タグマ編)

「老害事件」から休日でいうと3日目に当たる朝。今朝も涼しいファミレスに逃げずに、また快適なリビングでの自堕落な動画鑑賞に逃げ込まずに、大井川歩きに出発する。 今日は市街地の方に足が向く。1日目は釣川に沿って宗像大社まで。2日目は里山を抜けて…

煩悩を焼き尽くせ!(里山編)

今朝は昨日より1時間早く家を出て、里山の中に入る。100メートル程度の山でも上り下りはこたえるし、ミカン畑がソーラーパネルに代わってからは、農作業で登る人がおらず、雑草が伸び放題で歩きにくい。 脇道を入って、山中のため池を見に行く。このため池の…

大社帰りに賢人の納屋(ギャラリー)に寄る

ふらふらになってたどり着いたのは、村の賢人原田さんの納屋兼ギャラリーだ。 僕は、ここ数日の精神の振幅を、原田さんに吐き出す。金光教の学びの高揚と老害騒動の失意との間のふり幅だ。原田さんに話すことで考えがまとまり、自分の腹に収まるということが…

煩悩を焼き尽くせ!(大社編)

翌日、早朝から真夏の大井川歩きに出かける。ファミレス楽ちん読書を禁じ手にして、自分に試練を与えるためだ。熊鈴、笛、杖を用意して里山に入ろうかと思ったが、雑草と高低差を恐れて、平坦なコースで宗像大社に向かう。 それでも直線距離で片道4キロの道…

大井川歩きと水系をめぐって

矢野智徳さんの話を聞いたことをきっかけにして、年来の課題だった「水系」の問題を掘り下げてみたいと思う。とりあえず、吉田さんとの勉強会用に、現在までの関心の広がりを過去のブログ記事を抜粋することでレジュメにしてみた。 《要点メモ》 ・大井川歩…

鎮守の杜のナラ枯れ

遠目に見ると、真夏なのにワカ神社にすっかり枯れた木が日本目立っている。おそらくナラ枯れなのだろう。境内と裏山の樹木が10本以上、二年前に伐採された上に、かろうじて残った木が枯れてしまうとは。 境内に入って、久しぶりに樹木を観察して、驚くべきこ…

御神木と杜人

老人ホーム「ひさの」のコノミさんから誘われて、休日の朝、大社に行く。メールだけで事情はよくわからなかったのだが『杜人』の矢野智徳さんが来られるというので行ってみた。 大社の御神木が、ここにきて急速に枯れてしまった。それを知った近隣の方が、見…

プチ大井川歩き

このところ足に違和感があって、用心して歩くのをひかえている。右ひざのかすかな痛みが続くから、それをかばって不自然な歩き方になってしまう。こうなると大井川歩きもご無沙汰になる。 通勤の電車の窓から、駅の近くの住宅街に気になるものを見つけた。背…

里山でイノシシに出会う

ヒラトモ様にお参りしようと山に入るが、林道が相当荒れている。林業の作業のために重機で掘り進んだような林道は、人口の谷か溝のようなものだから、大雨の時に落ち葉や枝が流れ込んでしまうし、枯れた竹が倒れこんでしまう。使われずに管理されなくなった…

ヒラノで人に出会う

菊花賞の激走を見てから、大井川周辺を歩き始める。昨日のクロスミ様に続いて、今日はヒラトモ様にお参りしようと思うが、時刻も午後4時過ぎになってしまって、里山に入るのも怖い。薄暗くなりつつある山道を少し上ったが、この季節ジョロウグモの巣があち…

マスマル橋のたもとですべてがつながる

昨日、大井川歩きの遠征で目覚ましい体験ができたので、今日も夕方、競馬の京都大賞典のレースをテレビで見てから、一時間ばかり地元の大井を歩く。 大井川のマスマル橋を渡ったところに、小さな坂があって、かつてサカ屋敷と呼ばれた民家の入り口になってい…

山頂から自宅をながめる

標高271メートルのコノミ山の山頂は、我が家から直線でぴったり3キロメートルの距離にある。視界の樹木が切り払われて、以前より眺望もよくなっているし、空気も澄んでいる。今回は肉眼での識別に挑戦して、なんとか家を目視することができた。 自宅の二階の…

コノミ山で学習する

久しぶりの聞き取りの成果と目当ての庚申塔の無事に気をよくして、バイパスを渡りずんずん前へと進んでいく。八並からの登山道で許斐(このみ)山に登り、王丸方面に下山するという大回りコースを、大胆にも選択する。 以前、この逆コースを歩いたことはある…

かっちぇワナの思い出

村山田に入って確かめると、電車から見えなかった庚申塔は、土手の陰のところにしっかり残っていた。電車や車の窓からの一瞥がいかにあてにならないかがわかった気がする。ただうれしかったのはそれだけではない。 鉄道の線路をくぐる小さなトンネルをでたあ…

「山荘」に住む人は?

久々に休日の早朝から、大井川歩きをする。方向さえ決まればおっくうな気持ちは消えるから、電車からだと撤去されたようにも見える庚申塔の現状確認をひとまずの目的にする。 まず街道沿いの平井を通って、目的地の村山田を目指す。平井では、笠仏様や元禄時…

崖っぷちのザリガニ

馬場浦池の水が抜かれた。 何年か前、カイツブリが夏過ぎで子育てを始めたとき、水抜きで小さくなる水面から飛び立てないヒナの姿にドキドキしたことがあった。四羽とも無事に脱出できた年もあったが、可憐な二羽のヒナを小さくなった水たまりに見失ってしま…

夕闇の田んぼを歩く

定年後半年が過ぎて、そろそろ自分自身を立て直さないといけない。定年という区切りをデッドラインとして、自分なりの緊張感を維持していた生活のタガがはずれて、また新生活の糧を得るための仕事に慣れるのにも時間がかかり、家族にもあれこれの心配事もあ…

百合とススキの話

秀円寺の裏から大井へと古い石段を降りていると、斜面に咲く百合の花が目に入った。白い花弁に赤い細かい斑点がはいっているのが目をひく。市の花であるカノコユリであることは、植物にうとい僕にもすぐにわかった。カノコ(鹿の子)は、シカの背中にある斑…

影絵の村

夕方近くなってから大井川周辺を歩く。 ムラの賢人の納屋兼ギャラリーを訪ねても不在。二冊目の新詩集が出来上がっていたので、代金を置いて一冊もらう。薄暗くなった庭に何か黒いものがひそんで、こちらを見ている。見つめ返すと、草むらに消えていった。タ…

夜の音

夜中、目を覚まして、ブログを書いていると、ふと窓の向うから、ゴオーっという大きな音が聞こえてくる。花火が長く続くような爆発音にも聞こえるし、列車が通過するような轟音にも聞こえる。それが長く続き、起き出して窓を開けても、闇の向うでその音はし…

雨上がりの大井川周辺

午後から雨があがったので、大井を歩く。大井川の堤がくねくねと微妙にうねっているのを心地よく思いながら原田さんのギャラリーへ。主人は不在だったが、詩集のストックもごっそりなくなっている。さて、どこぞで出張販売会でもしているのだろう。 行く当て…

原田可菜人さんの新詩集

大井川の堤を歩いて原田さんを訪ねると、村の賢人は、座布団の上で昼寝をしている。納屋を改造したギャラリーは、風通しが良くて気持ちがよさそうだ。 四分冊で出すという原田さんの新しい詩集の一冊を購入して、さっそく目を通すと、その内容に驚いてしまっ…

大井川桜紀行

桜が満開で、すでに散り始めている。空が荒れ渡っているので、近所の桜を見てあるくことにした。桜は、やはり青空に映える。 僕の住む住宅街の向かいの病院のある丘は、ぐるりと桜が植えられている。その先の交差点も、桜の街路樹が並んでいる。花見の時期に…