大井川通信

大井川あたりの事ども

虫のいろいろ

カブトムシとの別れ

朝には元気だったカブトムシが、深夜帰宅してみると、昆虫ケースの中で仰向けにひっくり返って死んでいた。最後に入れた黒糖ゼリーをほぼ舐め切っているから、死の前まで食欲は旺盛だったのように見える。家に来て二か月。ほぼ天寿を全うして、人間でいえば…

オニグモの巣

僕が子どもの頃の小学館の昆虫の図鑑は、虫の姿は絵で描かれていた。カラー写真を使うのが高価だった時代だったのだ。しかし写真だと、その一枚の写真うつりで印象ががらりと変わる。絵の方がその種類の標準的な特徴をもりこめるというメリットがあるだろう…

ゲンゴロウの田んぼ総括

8月15日の「終戦記念日」に大井の田んぼで、大型ゲンゴロウ(正式な名称はコガタノゲンゴロウだからややこしいが)を見つけてから、足しげくその田んぼに足を運ぶようになった。こんなに田んぼをのぞくのは、10数年ぶりだ。 たしかに自然豊かな田んぼで、水…

トンボの話

職場の周囲には細い川が流れ、水路が張りめぐらされている。川をのぞくと、コサギやカルガモがエサを探してる姿を見かけるが、今の時期はトンボが飛び交っている。 銀色のシオカラトンボと黒い身体に腰の白が目立つコシアキトンボはすぐにわかるが、たくさん…

タガメには勝てない

月例の吉田さんとの勉強会。今月の奇跡の大型ゲンゴロウとの出会いを受けて、今回は実物資料に基づいた報告をしようと、茶目っ気を出す。 まずは、自分で拾ったアオイガイの殻と、先日ネット販売で手に入れたタコブネの殻。それに両者のガチャガチャの海洋生…

カイエビの泳ぎ方

コガタノゲンゴロウを目撃した田んぼで、ゲンゴロウの幼虫が、カイエビというものをエサとしているという話を書いた。 一センチにも満たない小さな生き物だが、妙に気になって引っかかる。自分がアオイガイ(カイダコ)とかタコブネとかが好きなことを思い出…

カイエビとホウネンエビ

コガタノゲンゴロウと運命的な出会いをした田んぼには、よく見るとたくさんのゲンゴロウの幼虫が泳いでいる。一センチあまりの色の薄いムカデみたいな形状で、頭部にはしっかりした大あごがあって肉食だ。 ただし、成虫の数ではヒメガムシの方が多いから、も…

大型種のゲンゴロウに出会う!

今から50年前の夏に、国立市谷保の田んぼで、小学生の僕は、体長一センチばかりの小さなゲンゴロウを採集するのに夢中だった。図鑑で見るような大きな黒光りするゲンゴロウは、公害問題の渦中にあった東京郊外ではすでに姿を消していたけれども。 今から16年…

カブトムシの研究

大井の鎮守の杜である和歌神社は、とても不思議な場所だ。 短い参道の先には田んぼが広がっているが、周囲には住宅があって、社殿背後の森も里山の開発からわずかに取り残されているだけだ。しかしそこがかなりの傾斜地であり、人が立ち入りにくい場所で、広…

ガムシの研究

タイトルは羊頭狗肉だ。本当は、研究なんてものではない。せいぜい「観察」くらいのものだけれども、僕は、この「研究」というタイトルがつけたくてたまらない。子どもの頃の「夏休みの自由研究」あたりの語感に由来する偏愛だろうか。世間の片隅の個人ブロ…

早起きは三文の徳(カブトムシを拾う)

早朝、大井を歩く。 住宅街から、秀円寺の裏山に入り、石段を降りて境内へ。ここは、かつての里山の雰囲気がかろうじて残されたところだ。途中、石仏の六地蔵にお参りすると、すぐ裏の樹木から大きな鳥影が飛び立った。羽音がしない。フクロウだ。 秀円寺は…

玉虫、飛ぶ

玄関先のケヤキの幹に、見える限りでも50匹以上のクマゼミがとまっている。こうしてみると、同じクマゼミでも色合いとか大きさとか形が微妙に違う。アブラゼミの姿はまったく見えないけれど、午後遅くなって、ジリジリというアブラゼミの声も聞こえるから、…

コガムシとゲンゴロウ

大井の田んぼで、はじめてゲンゴロウの仲間を見つけたのが2005年だから、それからもう15年が経つ。この辺りでも多少開発が進んで、秀円寺の前の田んぼも住宅街になってしまった。いつのまにか見かける水生昆虫の種類も減ってしまったような気がする。 にもか…

ヒメハルゼミとゲンゴロウ

コロナ騒動も落ち着いて、ようやく地元のセミの様子を調べる余裕がでてくる。 秀円寺の裏山から大井に降りようと近づくと、はやくもヒメハルゼミらしき声が聞こえてくる。一昨年、昨年と気づかなかった。秀円寺の並びにある和歌神社まで来ると、鎮守の杜では…

カエルくんの獲物

我が家の玄関先には、ブリキのカエルの人形が置いてある。素朴なカエルの造形なのだが、起き上がった姿勢で、左肩に棒のようなものを担いで、人間みたいに歩いている姿だ。 その担ぎ棒の先端に、セミの抜け殻が二個ついている。よく見ると、空だった右手のて…

アゲハの羽化

朝出勤する時、駐車場の裏のブロック塀に、見たこともないような美しい大きな蝶が止まっているのに気づいた。透明にかがやく羽に、艶やかな帯の彩りがある。印象は新鮮なのだが、デザイン的には見たことがあると思っていたら、普通のアゲハ蝶(あとで図鑑で…

セミと現代詩

セミは僕の大切な持ちネタで、このブログでもたくさん記事を書いてきたが、まだセミヤドリガのことについては書いていない。セミヤドリガとの出会いは、ちょうど10年前の夏の忘れられない思い出である。セミヤドリガのために、僕は生まれて初めて骨折をして…

今年のセミの聞き始め

海岸沿いの松林を目指して歩く。薄暗い雑木林の中では、キビタキの声が響いている。ウグイスもあちこちにいるが、松が多くなっても、目当てのハルゼミの鳴き声はなかなか聞くことができない。 ギーコ、ギーコ、ギーコ。ゼンマイ仕掛けのオモチャを動かすよう…

春のアゲハは小さい

今月になってから、何回か、アゲハチョウが飛ぶのを見かけた。どれも、おやっと思う程小さい。アゲハ特有の虎皮みたいな立派な模様はあるのだが、大きさがどうもものたりない。 昔から図鑑などで、アゲハなどの春型は夏型に比べて一回り小さいという知識はあ…

セミとクワガタの話

久しぶりに会った知人を、鉄板ネタでもてなす。 まず、セミの幼虫はなんで長期間地面の下にいるのか。まずはクマゼミとアブラゼミとの地中での年数の違いや、カブトムシはどうなのかという伏線をはり、僕の家の庭で毎年ひろえる抜け殻の数から、地中の状態を…

芭蕉とニイニイゼミ

閑かさや岩にしみ入る蝉の声 芭蕉がこの有名な句を詠んだのは、元禄二年(1689年)5月27日で、新暦では7月13日に当たる。場所は、出羽国(山形市)の立石寺。「おくのほそ道」の旅の途中である。 かつて文学者の間で、このセミがニイニイゼミかアブラゼミか…

クモとムカデとヘビ

職場の網戸に変な虫がしがみついている。一センチばかりの小さな身体が、薄い緑一色で、足には赤味がさしている。自分の体長より大きいくらいのクワガタ虫のような大きなカマを広げているのが奇妙なのだが、よく見ると長い前足だった。 図鑑で調べると、クモ…

ツクツクボウシの話(まとめ)

職場近くで、9月以降はセミの地位を独占していたツクツクボウシの声が、10月9日を最後に聞こえなくなった。今の職場はこの地方の内陸にあり、自宅は海に近いところにあるけれども、気候などの条件に大差はないだろう。自宅近くでは、ババウラ池で10月4日に聞…

今年のセミ

セミがマイブームだった昨年とは違って、今年のセミとのつきあいはたんたんとしたものだ。それでも、いくつか確認できたことがある。 庭のセミの抜け殻は、目につく限りひろったが、20個ばかり。ほぼクマゼミだと思う。発見できたのは7月の初め(7月4日)か…

天邪鬼とヒメハルゼミ

職場の窓の外のセミたちの声も、クマゼミとアブラゼミが主力になり、それにニイニイゼミが混じるようになった。自宅の庭で見つけるクマゼミの抜け殻も、10個を数えるようになった。はやく、あのセミを聴きにいかなければ。 小説家のポーが、人間の本質は「天…

セミの季節

5日ばかり前に、職場の窓の外の林から、不意にセミの鳴き声が聞こえてきた。 一年ぶりの出来事だから、まだカンが戻らず、というかそもそもセミに真剣に向き合ったのは去年が初めてだったので知識が身についていなくて、何のセミの声なのかはわからない。翌…

カマドウマとゲジゲジ

子どもの頃使っていた小学館の『昆虫図鑑』を手に入れてページをめくっていると、昔実家でよく見かけた虫のことを思いだした。 よくトイレで見かけたカマドウマ。バッタの仲間だろうが、羽のない背中が丸く盛り上がっている姿は不気味で、好きになれなかった…

ベニカミキリと昆虫図鑑

新しい職場の裏の林を散歩していたら、きれいな赤色の甲虫が羽を広げて、ゆったりと飛んでいる。とまったところを見ると、細長い身体の小さなカミキリムシだった。 体長は15ミリ程度。前羽は鮮やかな赤で、前胸部には黒い斑点が五個ある。頭と手足と長い触覚…

初春の女郎蜘蛛

暖かいお正月だったが、今日にいたっては日中20℃にもなった。4月の陽気である。 正月連休前には、職場近くの林のジョロウグモは、二匹を残すのみだった。前年の冬よりサバイバーの数は少ない。久しぶりにのぞいてみると、一匹だけは年を越してまだ生きて…

ハイイロゲンゴロウの昇天

今年、十何年かぶりかで、ゲンゴロウを飼った。その前は、50年前の小学生の時にさかのぼる。 今年は、ウスイロシマゲンゴロウという、初めての種類を見つけたのがきっかけだった。8月13日のことだ。ウスイロは、小さなオタマジャクシを与えたときなど、ハ…