大井川通信

大井川あたりの事ども

夏といえば虫だ

休日の早朝、大井川周辺を歩く。去年の今頃は、和歌神社の境内の銀杏の木の根元に謎のように毎朝カブトムシが落ちていた。大木がすべて切り払われて変に明るくなった境内ではそんなイリュージョンは起こりようがない。

ふと思いついて、昨年、コガタノゲンゴロウ(という名前の大型種)を小学校以来の念願がかなって見つけた田んぼまで歩いてみる。ここの田んぼは、水を落としても脇の小水路(ひよせ)に深く水がたまっているから、生き物が生息することができる。

しかし、去年と違って水路の周辺に雑草類が少ない気がする。除草剤をつかったのだろうか。こうなると、大型のゲンゴロウがひそんでいる雰囲気はない。

ただ、水面にはたくさんのハイイロゲンゴロウが呼吸のために顔をだしている。一回り大きいコガムシの姿もちらほら。逆に一回り小さなヒメガムシが目が慣れると目立ってくる。おなじみのメンバーだが、見ていて飽きない。

大井のたんぼの道を歩いていると、軽トラを運転する原田さんとすれ違ったので、アトリエまで戻って話をする。70歳をすぎて次々と作品を生み出し、読者との出会いのためのアイデアを実践する情熱には学びたい。