大井川通信

大井川あたりの事ども

言葉ノート

10年間日記をつけるとひとかどの人物になれる

英語の名言集みたいなものを読んでいたら、この言葉に出くわして、思わずにんまりした。原文は、Keeping a diary for ten years makes you somebody. 今年ちょうど10年連続日記の最終年をつけている。この言葉通りなら、そろそろ僕もひとかどの人物になって…

道路族と道草族

「道路族」という言葉があることを、新聞記事で知った。生活道路で遊んで大声を発したり、他人の敷地に入ったりするなどの行為をする子どもや大人を揶揄する言葉らしい。子どもの道での遊びや、大人の井戸端会議までが批判の対象になっているのを見て、ちょ…

あだ名はうしろに伸びていく

あだ名や愛称の法則については、ここに何度か書いてきたが、それでわかったのは、人物のあだ名や愛称は、その後半の部分だけになったり、そこに何かが付加されたりで、うしろに伸びていく傾向があることだ。 一年前から家に戻って、すっかり兄弟仲がよくなっ…

トンネルから~♪ さようならのこと♪

「ぐるっとまわって、ビッグウェイ♪」のことを、妻に話してみたら、長男は別の作詞作曲もしていたと言って、こんな節を口ずさむ。 「トンネルから~♪ さようならのこと♪」 そうだった! 知人の子どものトンネルエピソードに触発されたなら、こちらをまっさき…

ぐるっとまわって、ビッグウエイ♪

若い人と話していたら、幼い子どもが好きなモノについて面白い話を聞いた。彼は教師なのだけれども、生徒たちの興味が向かう方向が分からない、自分の子どもについてはいっそうわからない、ということだった。 彼の子どもは電車が好きなのだが、よくよく聞い…

タワシとキノコとオサビシヤマ

次男は、小さいころから髪の毛が剛毛だったから、長男が「タワシ」とあだ名をつけてからかっていた。ずいぶん長いこと、タワシ君とか呼んでいたと思う。 長男は猫好きで、昨年末に実家に戻ってからは、猫の九太郎をそれこそ猫可愛がりしている、九太郎先生と…

「仕事・大井川・理論・文芸・ワタル」

「お財布・携帯・鍵」というのが、昔から外出の際の僕の個人的標語なのだが、うまく活用できているとはいいがたい。肝心の時に、この標語を唱えるのを忘れるのだ。だから、携帯やお財布を平気で忘れて、家や外出先に取りに戻ったりする。 最近は、これに「メ…

近所は宇宙だ

近ごろ、ネットのコマーシャルでこのキャッチコピーをよく見かける。 コロナ禍で、観光業は、マイクロツーリズムという近場への観光に活路を見出そうとしている。同様に飲食業も、近場での需要の喚起をねらっているのだろうか。コマーシャルの内容は、ネット…

トコトコとペコン(続き)

数日して信号機の近くで、またあの女の子らしき姿を見つける。そのあたりは歩道がひろく、ベンチも設置してあるのだが、女の子は、誰か友だちを待っているのか、真赤なランドセルを広げて、中のモノを取り出している。 何をしているのだろう。子どものするこ…

トコトコとペコン

押しボタン式の信号機のある横断歩道で、小学校一年生くらいの女の子が、手をあげてトコトコと渡る。渡り切ると、両側の自動車(一台は僕の車)にむかって、それぞれペコンとお辞儀をした。 道を渡っているとき、女の子の頬に光るものが見えた気がしたので、…

ホルモンと桃太郎

数人で焼肉と本場のホルモン鍋をつつく。とある業界の大物が主役の会だったが、なかなか気さくな好人物だった。その人の話。 ホルモンとは、大阪の方の言葉で、ほおる(捨てる)もん(モノ)からきているという。これは、なるほどと思える説だ。 川上から桃…

嵐の前の静けさ

今までの経験したことのないような最強台風がくるという。土日に重なり対策が取りやすかったためか、スーパーのペットボトルや菓子パン類が売り切れている。息子二人といっしょに家の外回りを片付け、飛びそうなものをロープでしばったりした。 雨戸のない窓…

あだ名について

人のあだ名をつけるのが上手な人がいる。人の物まねをするのが上手い人がいるが、それと同じような一種の才能だろう。 子どもの頃は、友人同士や教師にたいしてふつうにあだ名をつけていたと思うが、大人になると、そもそもあだ名というものにめったに出会わ…

ペットロスということ

新聞記事で、ペットロスという言葉を知った。言葉の成り立ちからすれば、意味の取れない言葉ではない。けれどそれがどれほど深刻な意味をもっているかは、実際にペットを飼ったものにしかわからない、と記事に書いてある。 自分の親が亡くなったときより悲し…

みんなちがって、みんないい

金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」の一節から、有名になった言葉。 やさしい詩だけれども、ここでいう「ちがっていい、みんな」とは、私という人間と、小鳥という生き物と、鈴というモノであることに注意を要する。これを単なる比喩とみなすから、学校で人権…

夢野久作の息子さんです

僕の妻が子どもの頃、ボーっとしているとき、「ゆめのきゅうさくのごたる」(夢の久作みたいだ)とよく言われたことは前に書いた。今度は、安部さんから聞いた話。 安部さんの知り合いの人が、昔、夢野久作の三男である参緑(さんろく)さんを自宅に招いたと…

カエルを食べてしまえ!

近ごろ読んだ英文のビジネス書の標題。やるべきことのリストの中で、一番やりたくないことから片づけなさいという趣旨。よく言われていることだが、醜いカエルに手を伸ばしてたべてしまおうという、おぞましい比喩にしたところに手柄がある。 そういえば、気…

ゆめのきゅうさくのごとある

夢野久作というペンネームが、博多の方言に由来することは、比較的有名な話だと思う。二葉亭四迷という筆名の由来が「くたばってしめえ」であることほどメジャーではないかもしれないが。「夢の久作」が「夢想家、夢ばかり見る変人」の意味であることはネッ…

自分の猫が幸せならそれでいい

直近の芸能ネタにこんなのがある。ある芸能人が、仕事も順調で、誰もがうらやむ年下の美人女優と結婚し、子どもにも恵まれたにも関わらず、自分の性癖からなのか複数の浮気が発覚し、成功を失いかけている。 ネットでの芸能ニュースにはたくさんの読者のコメ…

「自粛警察」で気づいたこと

コロナ禍で、自粛警察という人たちが発生しているそうだ。他県ナンバーの車や、営業している店に対して文句をいったり、公園に集まっている親子連れを警察に通報したりしているらしい。 少し前のことになるが、近所の知り合いの店でも、SNSに「店においでく…

五十音図の起源

『日本語をつかまえろ!』(飯間浩明 2019)から。 「いろはにほへと」の歌は古くからあるだろうと思っていたが、五十音図がそれと同じくらいの千年の歴史をもつものだとは知らなかった。せいぜい、明治以降に近代教育のために整備されたものだと漠然とイメ…

谷の読み方

『日本語をつかまえろ!』(飯間浩明 2019)から。 谷は、普通名詞として使う場合は、「たに」としか読まない。では、地名として使う場合はどうなのか。著者によると、関東や東日本では「や」と読むことが多く、関西や西日本では「たに」と読む地名が多いと…

登記を為すに非ざれば対抗することを得ず

「不動産に関する物権の得喪及び変更は登記法の定める所に従い其登記を為すに非ざれば之を以て第三者に対抗することを得ず」 改正前の民放177条は、全文をあげるとこんな条文だった。実際は旧仮名遣いでカタカナ表記だから、さらに読みにくくなる。今では、…

一芸に秀でる

講演で、ある芸人の話を聞いた。これが、「壊滅的に」つまらない話だった。なんというか、まるで引き込まれないというか、内容も面白くなければ、話術もなっていない。 そんな彼がなぜ講演の講師を務めているかというと、漫才師がまるで売れないために、やっ…

物言えば唇寒し秋の風

芭蕉の句から転じて、人の悪口(自分の自慢)を言えば後味の悪い思いをするというたとえや、余計なことをいえば災いを招くというたとえで使われる、と辞書にはある。 僕は以前から、苦い思いでこの言葉をかみしめることが多かった。現に今日もそうだ。ただそ…

「お財布・携帯・鍵」

僕は、とにかくそそっかしい。それでよく、出かけるときや外出先でかんじんなものを忘れる。それを見かねた友人が、もう10年以上前に作ってくれた合言葉が、「お財布・携帯・鍵」だ。なるほど、この三つさえあれば、あとはなんとかなるだろう。 しかし、この…

したたがない(仕方がない)

小学生のころの次男の口ぐせは、この言葉だった。ほかの子どもよりも、だいぶしゃべり始めるのが遅かったから、まだしっかり発音できなかったのだ。 「障害」があることで、ずいぶんつらかったり、孤独だったりしたこともあったはずなのに、次男は、一度も学…

「障害者」という言葉

近頃は、どんな人の話も、自分の身の丈でしか聞けなくなったような気がする。その人の身から出た言葉を、自分の身に置き換えて聞く、というようにだ。昔は、もう少し言葉や思想をそれ自体として受け取っていたような気がするのだが、よく思い出せない。おそ…

イタチがいたっち

夜、近所で車を走らせていると、前方の路上を低く、さっと何かが横切っていく。その妙に細長いシルエットは、道端の草原に吸い込まれるように消えていった。見送ったあとで、すぐにイタチだと気づいた。 20代で車を乗り始めたころ、地方暮らしだったから、農…

「意識しないとできないことは実はどうでもいいことなのさ」

『おばあちゃんが、ぼけた。』の中の、村瀬孝生さんの言葉。 「人の暮らしって、同じことの繰り返しが基盤となって成り立っている」と村瀬さんはいう。その毎日をどう繰り返すかが大切なのであって、無意識におこなっていることほど直接生きることに直結して…