休日、早朝からのファミレスで読書を楽しむ。ここは注文がタブレットだから、さらに気楽だ。ドリンクを飲んでいると、どこからか不可思議な音楽が近づいてくる。顔をあげると、目の前にフラフラと配膳用のロボットが現れた。
まったく予想もしていない事態だからびっくりする。ロボットといっても、よくあるステンレスの棚のある台車みたいなものが自動運転となっていて、上部に取り付けられたタブレットに猫の顔のイラストが映されているのだ。
さすがにロボットは皿をテーブルには下ろせないので、音声の指示に従ってセルフサービスとなる。それが終わると、「ご注文ありがとにゃん！」と言って、またフラフラと戻って行った。
近ごろ人手不足のためか、ウエイトレスも年配の女性が増えていたが、いよいよロボット化だ。このファミレスも朝から複数の女性が配膳していたが、今朝見ると、二台のロボットが配置され、男性一名がフォローをしている。
地方都市のファミレスは、老人たちにとってウエイトレスとのささやかな交流の場となっているのに気づいていたのだが、それもかなわなくなるのだろうか。
僕は、今のところそういう交流は求めていないので、人を接しなくていいのは便利だし、ロボットたちの挙動はなんともかわいい。ただ、ここでも猫言葉だ。なんとなくファミレスの空間が一気に幼稚化、遊園地化してしまった気がする。やや落ち着かない感じだが、これもすぐに慣れてしまうのだろう。
