大井川通信

大井川あたりの事ども

鳥たち

カラスな男

僕の職場は、駅前を出て、都市公園の散策路を歩いて通えるようになっている。いったんカラスの姿を見かけなくなった都市公園も、朝にはカラスが集まるようで、カラスの鳴き声が飛び交っている。 その鳴き声の中に、少し違和感のある声が交っているのに気づい…

都市公園の小鳥たち

カンタロウのことばかりになっているが、真冬にも都市公園にはいろいろな鳥たちがやってくる。池や水路に我が物顔で居座っているのは、たくさんのマガモだ。夏には見かけたカルガモはすっかり居場所を奪われている。 マガモは意外に重量級でパワフルな鳥だか…

大寒波のカンタロウ

日本列島に大寒波が襲来するということで、朝から不穏な空模様になった。しんから冷え込んで、寒風が吹き荒れている。お昼前からは吹雪くようになり、突風に雪が舞っている。まるで北国だ。これでは電車が止まるかもしれないと、午後から仕事を切り上げるこ…

カラスの亡骸とカンタロウ

年初のお祭りが終わってから、東公園からカラスの姿が消えてしまった。広い公園の周辺では、何羽かのカラスを見かけるのだが、かつて公園のあちこちで何十羽もいた群れの姿が見当たらないのだ。 公園の小さな池と水路には、冬に飛来したたくさんのカモたちが…

カンタロウ vs. 十日恵比須(とおかえびす)

カラスたちの根城である東公園が、新年の名物行事である十日恵比寿のお祭りの屋台一色となった。様変わりした公園を、カラスたちはどんな風に思っているのだろうと、ついついカラス目線で考えてしまう。 残飯や生ごみにありつく機会は増えるだろうから、年に…

旅先のミヤマガラス

職場近くの公園でカラスと遊ぶようになってから、いっそうカラスのことが気になるようになった。とはいっても、カラスはたいていどこにでもいて、見た目もまっくろでいっしょだから、どこで見かけようと特別に目を引くことはない。 例外は千羽カラスで、たく…

カラスと会話する(51日目)

いきなりコート姿の長身の男がカラスのたまり場の真ん中に現れて、奇妙な鳴きまねを始めて、カラスたちが混乱して逃げ惑う。これでは、まるでカラスをいじめに公園に行っているみたいだ。かんじんのカンタロウにも嫌われてしまったかもしれない。 そろそろや…

カラスと会話する(39、43日目)

39日目 今日は、まずカラスの多い池の周囲へいく。僕が鳴きまねをしながら足を踏み入れると、おかしなニンゲンカラスが来たと、カラスたちはパニックになって騒ぎ出す。この中にカンタロウがいるだろうか。なんとなくそれらしいカラスの姿が目にとまるが、確…

カラスと会話する(32、37日目)

32日目 今日も、林の中にはカンタロウはやってこない。池の周囲のたくさんのカラスに鳴きまねをすると、群れは騒いで飛び回りはじめる。すると、近くの枝に飛んできて、逃げないカラスが。いくら見ても区別がつかないが、カンタロウか。ニンゲンの言葉で話し…

カラスと会話する(31日目)

一昨日は、カラスの群れの中でカンタロウに久しぶりに出会えたが、昨日はいつもの場所で待っていてもカンタロウは来なかった。11月の最終日で、上着なしでは震えるくらい昼休みでも寒くなっている。 今日も、いつもの場所にいくのだが、近頃は公園のモミジの…

カラスと会話する(29日目)

カラスのカンタロウと交流ができるようになって、29日目。この10日ばかりは、それらしいカラスさえ現れず、カンタロウに会うのをあきらめないといけないと思い始めていた。 今日も、最初に彼に出会ったこんもりした林の中で、ストレッチをしたり、正拳好きや…

カラスと会話する(19日目)

11日目以降、カンタロウだと確信のもてるカラスに出会えなくなった。最初に出会った林のあたりは、実のなる小ぶりの木が密集して生えていて、近頃はヒヨドリの群れがいることが多い。これが原因でカラスが寄り付きにくくなったのではないか。 東公園にはたく…

カラスと会話する(9日目、11日目)

五日間、間をあけて公園に行く。いつもの場所でしばらく待ったが、やってきたカラスは、カアー、カア―という鳴き方をするばかりで、ちょっとカンタロウ(この名前にしました)らしくない。それでも、近場の木にとどまっていたから、おそらくカンタロウだった…

カラスと会話する(三日目)

今日は仕事が忙しく、昼休みは遅れた仕事を片付けたいところだ。ただ、明日から五日ほど職場にこないので、カラスに忘れられてしまうのではないかという不安もある。 それで意を決して公園のいつもの場所にやってきたのだが、今日は人が多い。遠くにいるカラ…

カラスと会話する(二日目)

翌日、同じ場所で待っていると、聞き覚えのあるクワッ、クワッの声が聞こえてくる。その鳴きまねをしてみると、昨日のカラスがまた近くの枝にやってきた。真っ黒でも、どことなく個性があるものだ。 カラスはいきなり、昨日とはまったく違う、普段聞いたこと…

カラスと会話する(一日目)

職場の前の都市公園を散歩しながら、調子よく光太郎や朔太郎の詩を吟じていると、すぐ目の前の枝にカラスが飛んできてとまった。三メートルくらい先の低い枝で、人なれしている都会のカラスでもふつうなら逃げ出すような距離だ。 はじめカラスが普通に鳴いた…

ホトトギスの初音

5月26日の早朝、ようやく今年初めてのホトトギスを聞いた。遠くから、ホッケッキョキョの繰り返しが小さく耳にとどく。その翌日の夕方も庭でホトトギスを聞く。 気になったので、この10年ばかりのホトトギスの初音の記録をざっとまとめてみる。ノートをひっ…

カラスの攻撃(続き)

翌朝、同じところを通ると、野原のさきで相変わらずカラスがしゃがみこんでいる。芝生の養生のために立入禁止のロープが張られている場所なので、とりあえず人は近づけない。同僚に昨日の武勇伝を話すと、さっそく見に行って、報告してくれた。 二羽のカラス…

カラスの攻撃

仕事の帰り、都市公園の出口あたりを歩いていると、すぐ近くの茂みでカラスがうずくまっている。少し近づいてみるが、どこかケガしているのか遠くまで飛ぶことができない。心配してみていると、近くの低い電線に数羽のカラスが集まってきて、ガアガアと激し…

イソヒヨドリの送迎

7年ぶりに、駅まで歩くJRでの通勤となった。それだけでなく定年で、働く環境もだいぶ変わっている。環境の激変の中で、昔の仲間からのあたたかい声かけは何よりもうれしい。駅に通じる道沿いのビルから聞こえるイソヒヨドリの鳴き声もそうだ。 「停車場線」…

つばめが来る日

3月13日に、近所の旧街道の商店街で車を走らせていると、くるりと糸をひく鳥の影があって、あっ、つばめだ、と思った。ツバメの来た日は、日記などにメモしておくこともあり、たいてい3月の中旬の今頃である。 僕はまんぜんと季節のあれこれを迎え、また…

チョウゲンボウについていく

大井の枯れ田の中を歩いていると、街道沿いの電柱のてっぺんに見慣れない鳥がとまっているのが目についた。シルエットはタカなのだが、トンビほどは大きくない。以前、このあたりでノスリを見かけたが、そんなに立派な体格でもない。 双眼鏡で確認すると、身…

クロツラなのか、ヘラサギなのか

昨日みたサギのことが気になって、大井ダムをのぞきにいく。今日は双眼鏡を持って。 一羽が、浅瀬に突っ込んだくちばしを左右に振ってエサを探している。そこから離れた反対側の岸の近くに、寄り添って立つサギの群れを見つける。しかし様子がなんか変だ。近…

大井ダムの鳥たち

クロスミ様の初詣の帰り、大井ダムの脇の道を歩く。水かさは少なくて、湿地のような部分も見えるが、さすがにため池よりはずっと広い。遠くにカモの群れが見えるが、相変わらず水鳥にはそれほど興味がなく、双眼鏡で確認する気になれない。 シラサギが二羽ほ…

カワウは70キロで飛ぶ

田んぼが広がる道を走っている時、すぐ横を首を伸ばして早く飛ぶ鳥が目についた。車で並走するのは、サギやトビが多い。スピードは50キロくらいだ。彼らはゆったりと飛ぶ。これは力強く早く飛ぶ水鳥の仲間だろう。 カモかと思って顔を見ると、真っ黒な身体だ…

カラスのお葬式

以前は農村や峠の道で自動車にひかれた動物は、圧倒的にタヌキとイタチが多かった気がする。近ごろは、コロナ禍に自然の歯車も狂わされているのか、今までみたこともない生き物の轢死体を見かけるようになった。 いくらか前になるが、大きなイノシシが、歩道…

カイツブリの決意

僕が入院中、ババウラ池では、カイツブリのヒナが3羽無事に育ち、退院後の新生活に気をとられているうちに、3羽とも巣立っていったようだ。 天候と人間の都合で水位が下がったり、水が抜かれてしまうようなため池の不安定な環境だから、ヒナが卵からかえり…

五月雨に鳰の浮巣を見に行む

芭蕉にこんな句があることを、ごく最近知った。鳰(にお)とは、カイツブリのこと。芭蕉の時代にすでに、カイツブリの浮巣(うきす)をみたり、卵がかえってからのヒナの成長を楽しんだりする習慣があったのだろう。 病院から久しぶりに家に戻って、家の回り…

ヨシキリの舌にも春のひかり

職場の昼休み、久しぶりに河原に出ると、草原一面から何か騒然とした声が聞こえる。ギョギョ、ギョギョ、ギッ、ギッ、ギッ、チッ、チッ、ギョギョシ、ギョギョシ、というふうに、あちこちから色んな声で呼びかけられている感じなのだ。 カエルか虫かもしれな…

『めぐり めぐる』 ジーニー・ベイカー 2021

原作は2016年の作品で、イギリス出身オーストラリア在住の絵本作家によるもの。コラージュの技法を得意としているらしく、透明感のある広々とした画面に自然や生き物の姿が生き生きと写し取られている。 主人公は、オオソリハシシギという渡り鳥。繁殖地のア…