大井川通信

大井川あたりの事ども

鳥たち

『めぐり めぐる』 ジーニー・ベイカー 2021

原作は2016年の作品で、イギリス出身オーストラリア在住の絵本作家によるもの。コラージュの技法を得意としているらしく、透明感のある広々とした画面に自然や生き物の姿が生き生きと写し取られている。 主人公は、オオソリハシシギという渡り鳥。繁殖地のア…

河川敷の空中戦

冷たい寒波の風が吹くこの時期は、河川敷の散歩は気がすすまない。昼休みに銀行まで歩く用があるので、久しぶりに河原の沈下橋などを歩いていると、いいことがあった。下流から、しなやかな翼を広げた白っぽいタカが飛んでくる。ミサゴだ。それも二羽。 前に…

冬晴れの鳥たち

年末から年始にかけてのしつこい風邪と、年明けの寒波や大雪の影響で家に閉じこもりがちとなり、大井の周辺をゆっくり歩くのは、一月も終わりになってしまった。さいわい冬晴れで日差しの暖かな午後だ。 住宅街を下りていくと、さっそく林の暗がりにアオジの…

里山の王者ノスリ

今回、津屋崎まで歩いて、うれしいことはたくさんあった。モチヤマの人から話が聞けたこと。山道がまだ通じていたこと。対馬見山に登れたこと。富士白玉神社を再訪できたこと。しかし、最大の喜びと驚きは、山道を下って、モチヤマの明るい棚田に戻ってきた…

ツグミとシロハラと

大井川歩きの途中で、公園の日当たりのいいベンチに座ってみる。この公園では、子どもが小さかった頃、いっしょにサッカーボールをけって遊んだりしたことがあったのを思い出す。 夕日を浴びて、しばらく本を読むことができた。読書家のふりをしているが、実…

モズのはやにえ(続報)

念願のモズのはやにえを見つけて、僕のことだから周囲の人に話しまくった。それは一方的な自慢に過ぎなかったけれども、それでも人に話すのは、双方向的なコミュニケーションのきっかけになる。いくつかの発見があった。 当然ながら、モズのはやにえを誰もが…

ハシビロガモの勤勉

冬を迎えて、近所のため池や川にいろいろなカモが姿を見せるようになると、今年こそカモ類も見分けられるようになりたいと、一時は考える。水辺で無防備に特徴のある姿をさらしている水鳥の種類がわからなくては、バードウォッチャーを名乗るのが恥ずかしい…

どうしたらミヤマガラスの凄さが人に伝わるだろうか

同僚と職場を出たら、裏山から街にかけて、ミヤマガラスの大群が飛び回っている。ねぐらに向うカラスかとも思ったが、群れの数と密度、何よりうねるように仲間と飛ぶ姿が際立っている。 まちがいない、ミヤマガラスだ。今シーズン彼らの姿を見るのは二度目で…

ついにモズの早贄(はやにえ)を見つけました

子どもの頃から、モズは身近で好きな鳥だった。大柄なスズメのようなキュートなルックスで、タカのように狩りをするというのも魅力だった。 モズといえば、獲物を枝先などの刺しておくという早贄(はやにえ)が有名なのだが、僕はこれまで毎年モズを観察しな…

釣川浄土(鳥編)

岸由二さんの「流域思考」に共感しながら、大井川歩きは、気の向くままに近所を歩き回るばかりで、大井川の流れをさほど意識したものではなかった。本筋で言えば、大井川が流れ込む釣川(つりかわ)の方へと関心が向かないといけない。 ということで、今朝は…

百舌鳥のゆえん

大井川歩きをしようとして、玄関を出て一歩目のまだ玄関ポーチにいるときに、足が釘付けになった。一歩外に出ると、そこがフィールドだというのが、大井川歩きのよいところだ。自画自賛だが。 隣家の屋根のテレビアンテナの上でモズが鳴いている。ケッ、ケッ…

カイツブリの秋の子育て(・・・)

仕事の帰りに車を停めてみると、ババウラ池の水の大半をなくなり、底に大きな水たまりのように残っているだけだ。どうやら底の栓をあけて一気に水抜きしてしまったようだ。 水たまりにカイツブリの親鳥はいない。おそらく水が無くなって生活できないレベルに…

カイツブリの秋の子育て(つづき)

ババウラ池の水はまたこころもち減っているようだ。しかし、一気に抜かれているわけではなさそうなのが救いではある。 夕方池をのぞくと、またしても意外なことが。親は一羽だけ。しかし小さな粒みたいに見えるヒナが、なんと二羽いるのだ。二羽とももう親の…

カイツブリの秋の子育て

ゴミ屋敷みたいな無防備な浮巣でのカイツブリの抱卵は続いた。あいかわらず、親は一羽しか見当たらない。すると、ため池の水かさが少し減ってきたことに気づいた。浮巣は枯れ枝にくくりつけて流されないようにしているから、水面が大きく下がると持ち上がっ…

カイツブリのゴミ屋敷

今年もババウラ池では、夏前にカイツブリのヒナを見つけることができた。例年とちがって水抜きもなく安心していると、ヒナも巣立った池に、親が一羽残っているのに気づいた。 道との境の灌木が切られてしまったために、丸見えの場所に浮き巣があるのだが、材…

カラスの羽づくろい

通勤途中のコンビニで、車を停めて昼食のサラダを買う。コンビニに近づいたとき、街道のわきに広がる田んぼの電線に止まった二羽のカラスが目に入った。 過去にも、別の場所で、いやに仲良く寄り添うように並んでいるカラスを見たことは何度かあって、ほほえ…

フクロウの顔

津屋崎玉乃井に出向くと、安部さんの従兄の人がいて、安部さんの容体がよくないという。暗然として家に戻る。安部さんの大学時代の同人誌仲間の宮田さんに電話を入れる。 夕方、ヒメハルゼミの鳴き声を聞くために、大井の集落へ下りる。鎮守の杜では、目当て…

イタチ木登り、タヌキ危険、カッコウ鳴く

職場の窓から、目の前の林を眺めていたら、高い枝をイタチが伝っている。すぐに方向を変えて、根もとまで走りおりてしまった。あわてて外に出てみると、ずっと先の茂みがゴソゴソしている。その神出鬼没ぶりに驚いた。 また別の日。通勤の車で、街中のコンビ…

キビタキとの再会

新しい職場の窓には、予想以上にたくさんの鳥が訪れる。コゲラとヤマガラとメジロから、いちどきに歓迎を受けたことは前に書いた。 いつも草むらでごそごそしているのは、シロハラだ。その近くで、草の実をついばんでいる小鳥だいるので、よく見たら、アオジ…

ヤマガラ・コゲラ・メジロ

三つとも、それほど珍しい種類の鳥ではない。こうした小鳥たちは「混群」といって、別の種類が一つの群れをつくって移動することがよくある。 それでも、街中の建物の窓から、一本の木に同時に三種類を見つける機会はそんなに多くはないと思う。 シジュウカ…

ハトは速い

川沿いの土手の道を車で通勤している。 いろんな鳥とすれ違ったり、鳥が横切ったりする。時々、川の上を飛ぶ鳥と、並んで走るようなことがある。 鳥がいったい、時速何キロくらいで飛ぶのか興味があるから、そういうときは、わざと鳥のスピードに合わせて走…

生き物の春

庭仕事をしている妻が、人懐こい可愛い小鳥を見つけたという。お腹がオレンジで、背中が黒で、白い紋があって・・・ジョウビタキにちがいない。基本的に人なれしているジョウビタキの中にも、びっくりするくらい人懐こい鳥がいたりする。 でも、ジョウビタキ…

雨の日の鳥/晴れの日の鳥

雨の日、津屋崎の安部さんの家に遊びに行こうと思って、用山の峠を抜けると、玄界灘が見渡せる下り坂の電線に大きい鳥が止まっている。トビかと思って通り過ぎたのだが、ちょっと違和感がある。少し先に車を停めて、双眼鏡で振り返ってみる。 トビよりずんぐ…

百千鳥の季節

今年は暖冬で、二月半ばにようやくきた厳しい寒波もすぐにひいてしまった。暖かいので散歩していると、職場近くの松林で、不意に小鳥たちのさえずりに取り囲まれる。松の枝先の松葉に顔を突っ込んだり、垂直の幹に止まって、樹皮の割れをついばんだりする。…

蜜柑と翡翠

うつうつ、くさくさした気持ちで道を歩いていた。考えないようにしても、いつのまにか考えてしまう。考え出すと、ぐるぐると止まらなくなる。いかりやうらみつらみなどの感情がわきだして、あふれだし、のみこまれる。そのとき。 道のわきの水路のよどんだ流…

ハヤブサを見た

昼休み、河口付近の商業施設にお昼ごはんを食べに行く。すぐ頭の上の空を、二羽の鳥がもつれながら飛んでいく。カラスか何かがじゃれているのかと、反射的に思った。 しかし、川の向こうに逃れていった一羽はハトで、取り逃がした方の一羽は、今度は急転回し…

大風のなかのチョウゲンポウ

冬の嵐のような大風の中、自在に飛び回る鷹を見て、気持ちが高まったという話。 僕の住むあたりより山側の集落で車を走らせているとき、鷹らしき鳥の姿が目に留まったので道路わきに車をとめて、単眼鏡をもって外に出た。 鷹は二羽いる。細長い翼の先がとが…

鳥たちと虫たちと

通勤で、川沿いの道を下流へ車を走らせる。そのとき、上流へと川をパトロール中のミサゴとすれ違う。鋭い眼光で獲物をねらっている狩人の登場に、僕のほうにも緊張が走る。 堤の下には、アトリやチョウゲンボウのいた農耕地が広がっているが、今朝はその気配…

チョウゲンボウの狩り

二年前の冬、チョウゲンボウを見た、という記事を書いた。アトリを探し歩いている冬枯れの農耕地で、久しぶりにチョウゲンボウに出会った。 電線に姿勢よくとまるすっきりとしたシルエットは、一見して鷹だとわかる。カラスよりは一回り以上小さいが、尾羽が…

木彫りの熊とホシフグとミサゴの海

流木をひろおうと思って、砂浜を歩いていると、一抱えもあるような木彫りの熊の置物が打ち上げられている。鼻のあたりは無残にもげていて。またしばらく歩くと、小さな丸々としたフグが落ちている。全身黒っぽいが、無数の白い斑点が並んでいてきれいだ。あ…