大井川通信

大井川あたりの事ども

ムクドリの親子

テレビのニュースで、駅前の街路樹などをねぐらにして、すさまじい数の鳥が集まっているという報道があれば、まちがいなくそれはムクドリだ。

スズメなどの小鳥より一回り大きいが、同じくらいのサイズのツグミヒヨドリに比べると、尾が短くてずんぐりした体形に見える。くちばしと足がミカン色で、全体に黒っぽいが、頬っぺたは真っ白だ。いつも群れで行動しているが、人懐こい個体もいるようだ。(母親だったか妻だったか、とても人に慣れたムクドリが庭に来たと聞いたことがある)

職場の前の都市公園では、近頃ムクドリの群を見ることが多い。樹木の枝にも、芝生の上にもムクドリの姿があって、ギュルギュルギュルという特徴のある小声の鳴き声があふれている。

帰宅途中、公園の中を歩いていると、ムクドリにまじって薄茶色の鳥が見えた。単眼鏡をのぞくと、どうやらムクドリの若鳥で、全体に色が薄くて、尾羽に白い羽毛が目立つ。成鳥にまじって、草原でエサをつついているが、動きに少し違和感がある。

じっと様子をうかがっていると、時々親鳥が近づいてきて、巣の中のヒナみたいに真っ赤な口の中を見せてエサをもらっているのだ。人間とは違って、完全に一人前になれば、もう親も子も思い出すことはないのだろう。そのまえに思いっきり甘えたらいいと思った。