カンタロウのことばかりになっているが、真冬にも都市公園にはいろいろな鳥たちがやってくる。池や水路に我が物顔で居座っているのは、たくさんのマガモだ。夏には見かけたカルガモはすっかり居場所を奪われている。
マガモは意外に重量級でパワフルな鳥だから、水面での離着陸の姿は迫力があるし、けっこう激しく喧嘩をしたりもする。都市公園の流儀で、人間が近くを通りすぎるくらいでは平気な顔で地上に座り込んでいる。
ツグミの仲間では、あちこちにシロハラがたたずんだり、ぴょんぴょん跳ねたりしている。暗い林内の湿った地面はシロハラの好みだろうが、清掃が行き届いた都市公園では、落ち葉をひっくり返して虫を探す得意技を披露することができない。
大井川流域では、とても臆病ですぐに逃げてしまうシロハラが、都市公園では人をあまり恐れないのを不思議に思っていたが、観察すると、人間に近づいてくるそぶりさえ見せる。
おそらくエサの少ない冬の都市公園では、ハトやカモのために人間がふるまうエサがシロハラにとっても貴重な栄養源になっているのだろう。シロハラもハト化しているのだ。渡り鳥のシロハラは、冬に過ごす場所の特性に応じて態度を変えているわけで、その柔軟性には驚く。
シロハラのいるあたりでよく見かける小鳥はジョウビタキやハクセキレイ。林の上方では、メジロやシジュウカラが枝から枝へすばやく飛び移る姿を見ることもある。珍しいところでは、明るい芝生の上で尾を振るモズの雄姿も。
今日は、かわいいオレンジのヤマガラを見つけることができたし、小鳥にしてはやや大きなシルエットだと思ったら、橙と黒と白の複雑な模様のアトリだった。