大井川通信

大井川あたりの事ども

安部文範さん遺稿集編集後記(案)

安部さんが『菜園便り』を出版したとき、売上で出版基金を作りたいと持ちかけられた。結局、僕の怠惰もあって基金は稼働しなかったけれど、最後で唯一の仕事が、安部さんの遺稿集の作成ということになった。

安部さんが入院したのは、コロナ禍の初年度で、結局僕も数通の手紙のやり取りだけでお見舞いすることもできなかった。社交家で多彩な活動をした安部さんのことだから、きっと今までお世話になった人たちにお別れの挨拶をしたかっただろうと思う。安部さんに代わって挨拶のための小冊子を作ろうと編集作業にとりかかった。

前著『菜園便り』以降の文章を中心にごく少数を選んだが、安部さんにとって不本意な編集となっていないことを祈るばかりだ。ただ、「受けいれる勁さ」についてだけ一言。

2018年の春に突然話がしたいと玉乃井に呼び出されて、手渡されたのがこの原稿の元になるレジュメだった。箇条書きのメモだが、安部さんの晩年の心境と思想的到達点を示すものとして、関連の映画評とともに収録した。

あとは、この小冊子が、安部さんの所縁の人にできるだけ多く届くことを願っている。東京時代を中心に、安部さんの人脈は把握できていない部分が大きい。ご存じの方はぜひ配布先の情報をお教えください。   出版基金A

 

※外田さんの協力で、安部さんの文集(タイトルは『ブラウン氏のおもいで』)の作成はなんとか進んでいる。冊子本体の文章やレイアウトはほぼ確定したが、編集後記のようなものはつけていない。あくまで安部さんの文集として安部さんの文章だけを載せたかったからだ。ただし、編集・作成の経緯の説明はいるだろうし、配布先の情報提供のお願いもした方がいいだろう。そこで、とりあえず別紙を文集にはさむ形にしようと思いついた。以上は、最低限そこに何を書いたらいいかの案である。

※もしこの記事を読んだ安部さん所縁の方がいたら、コメント欄に御記入いただければ、文集完成後送付したいと思います。

※追記:文集は2023年9月に完成しました。現在、配布中です。