大井川通信

大井川あたりの事ども

コガムシとゲンゴロウ

大井の田んぼで、はじめてゲンゴロウの仲間を見つけたのが2005年だから、それからもう15年が経つ。この辺りでも多少開発が進んで、秀円寺の前の田んぼも住宅街になってしまった。いつのまにか見かける水生昆虫の種類も減ってしまったような気がする。

にもかかわらず、この夏は、和歌神社前の田んぼで、水生昆虫が大量発生している。ヒメガムシがわらわらと水中を泳いでいるだけでなく、舵を失った魚雷みたいなハイイロゲンゴロウもあちこちで波紋を作っている。住宅に面したここは、かつてそんなスポットではなかった気がする。

驚いたのは、コガムシの姿を複数、見つけたことだ。どこにでもいるヒメガムシとは違って、それよりはるかに大きなコガムシは、僕は大井でも何度かしか見つけたことはない。ハイイロゲンゴロウよりも一回り大きく見えるコガムシは、この地域では、水生昆虫の王者といえるかもしれない。

身体が大きいためか、泳ぎにつかう後ろ足がヒメガムシより発達しているように見えて、よりゲンゴロウに近い感じがする。水面で腹の下に空気をため込むときも、水中の身体をポンプのように上下に振る姿を見せることもあって、迫力がある。

田んぼの底に隠れたコガムシが、さっと水面に上がってまた潜る姿は、はじめはゲンゴロウかと思ったくらいだった。因みに、ヒメガムシも田んぼの中を歩くみたいに移動する姿はやや不格好だが、水中での素早い上下運動では、潜った直後には尻に水泡をつけていたりして、ゲンゴロウと見間違える。

中型種最大のハイイロゲンゴロウよりも大きなコガムシをながめながら、自然環境ではもはや見ることのできない大型種のゲンゴロウの姿を想像することにしてみよう。