大井川通信

大井川あたりの事ども

雨上がりの大井川周辺

午後から雨があがったので、大井を歩く。大井川の堤がくねくねと微妙にうねっているのを心地よく思いながら原田さんのギャラリーへ。主人は不在だったが、詩集のストックもごっそりなくなっている。さて、どこぞで出張販売会でもしているのだろう。

行く当てもないので、昨年夏に、ゲンゴロウと奇跡の対面をした田んぼまで足を伸ばしてみることにした。田植えまえの田んぼの姿はまちまちだ。麦が青々と茂っているところもあるが、例の田んぼは荒れ地のままだった。ただ、他の田んぼとは違い、周囲が深く掘り下げられていて、この天然の水路がやがて水生昆虫たちの楽園となる。

今年もまた、あの見事な大型のゲンゴロウ(名前はコガタノゲンゴロウだが)を見る機会はあるだろうか。

最近の雨の影響なのか、すでにいくらか水がたまっているので、しゃがみこんでのぞきこむ。すると、すでに生命の胎動があって、数ミリのジャンボタニシの赤ちゃんたちが動き回っている。同じく数ミリのガムシが懸命に水中を泳ぐ姿も。前羽が明るい茶色で黒い斑点も目立つ。キイロヒラタガムシか。

周囲では、ヒバリの高鳴きが聞ける。電線ではホオジロの姿が目立つ。本流の釣川まで歩いた後、里山の麓の造成地に入り込む。ここは年々藪が造成地をのみこんで、自然の姿に戻そうとしている。突き当りの崖は「球状黄鉄鉱」の産地なので、未練がましく石を裏返ししたりして調べてみる。ネットのオークションで、本物を手に入れてはいるのだが、やはり現地で拾ってみたい。

足元に注意しながら帰ろうとすると、開いた羽に三筋の白い模様が目立つ黒い蝶がとまっている。ミスジチョウの仲間だろう。後で図鑑をみると、ヒメミスジのようだ。かわいいナナホシテントウもいて、手に取って、これもある意味「球状」だとなごむ。

その近くの空き家で植木の整備をしている人がいたので声をかける。この借家に住んでいた人と話したことがあるので、気になっていたのだ。3年ばかり前に息子さんたちが連れていったとのこと。病気が原因かもしれないが、亡くなったというわけではなさそうだから、安心する。毎朝遠くの山にお祈りしていた人だ。

村はずれの観音様にお参りする。あらためて見ると馬頭観音で、手のとれた古い木造の頭にはしっかり馬が彫り込まれている。昨年末からの競馬のマイブームで、ようやくそれに気が付いた。

 

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