大井川通信

大井川あたりの事ども

ゲンゴロウのフィギュアを集める

20年以上前だと思うが、チョコエッグのおまけで動物フィギュアのシリーズが流行ったことがある。ちょうど職場が忙しく労働時間が長くてストレスもたまっていた時期なので、行きかえりのコンビニでチョコエッグを買うのがささやかな楽しみだった。

その中にゲンゴロウのフィギュアがあったが、僕は当てることができずに(ゲンゴロウがラインナップに入っていたシリーズが売られていた時、僕はまだ買い始めていなかったと思う)、だいぶ後からヤフオクで購入した。チョコエッグなら150円くらいだが、千円近かったと思う。

僕はゲンゴロウのフォルムが好きで、夢に何度も出てくるくらいだけれども、陸に上がった状態の単体のゲンゴロウはそれほど魅力的ではなかった。カブトムシやクワガタとは違い、ゲンゴロウが陸地にいることはないからだ。

今回手に入れた二体のゲンゴロウは、支柱で支えられて水中にいる姿を再現している。このシチュエーションがあるかないかでフィギュアの生気がまるでちがう。原色日本昆虫図鑑(ユージン)の方は、水中の流木がリアルに再現された土台で、ゲンゴロウの本体も精巧だ。

京都水族館フィギュアコレクション(海洋堂)は、チョコエッグのものと同じ原型師だが、お尻に泡をつけているのがみそだ。支柱と土台はシンプルなものだが、それでもチョコエッグのモノとは違う生きた姿が味わえる。

本体の艶がよいのとお尻に泡があるのとで、軍配は海洋堂の方に上がるか。とくにお尻の泡は、水中の酸素を取り入れる機能をもっていて、ゲンゴロウの優れた能力の証でもあるからだ。

二つとも丸いプラスチックケースに収納されてガチャガチャとして売られていたものだから単価は300円くらいのものだろう。メルカリではその5倍以上の売値だったが、それでもだいぶ安い方だ。

僕は大井の田んぼで、中型種や小型種のゲンゴロウと再会できたし、数年前には驚くべきことに大型種のゲンゴロウにも出会う事ができた。僕のゲンゴロウ人生はまずまず幸福というものだろう。それを記念して、二体のフィギュアを買った次第。