大井川通信

大井川あたりの事ども

ヒラトモ様に初詣

昨年11月に風邪をひき始めてから、地元をほとんど歩かなくなった。例年なら年明けには地元の神様に初詣にでかけて日本酒の小瓶を供えるのだが、今年はずるずる遅くなってしまった。体調の問題だけでなく、身近な人間関係のストレス、休日の予定が増えたことなどいくつかの理由がある。

天候が良く予定の空いた休日に、ようやく重い腰をあげる。住宅街を降りて、秀円寺の裏山を降りると、ふといつもの六地蔵のわきの上半身だけの壊れた石仏の姿が気になった。見ると、下半身や顔面が欠けた頭部が足元に落ちているのに気付く。下半身をまっすぐ立てて、上半身を乗せると、頭の部分もきれいにはまった。さすがにもともとは一体の仏様だと感心する。最後に足元に石を寄せて安定させる。

あとで昔の写真を確認すると、7年前でもすでにバラバラの状態で、このときは下半身だけが立てられていた。壊れた石仏として何の疑問ももたずに今まで見過ごしてきたのに、今回気になって元の姿に組み上げたのはなぜだろう。多少の功徳になってくれたらと思う。

ヒラトモ様に向かう山道に入ると、左手の吉田農園でアツコさんが農作業をしている。声をかけると初詣に同行してくれることになった。正直、体力にも自信がないところ昨年よりいっそう荒れた山に入るのは怖かったのでありがたかった。谷の部分を削って作った林道には、枯れた竹が折り重なってふさいでいる。途中から尾根の脇道に迂回する。途中にはイノシシの大量の糞があって縄張りの印かもしれないと緊張する。

山の斜面を登るときも、アツコさんと話しながらだと体力の衰えが気にならなかった。ヒラトモ様のホコラは山頂でいつもの姿。新しい日本酒を供えて参拝する。ヒラトモ様発見からの10年の記念の年だ。今年は集大成的な何かをしたいと思う。

樹木のところどころに結ばれた赤いテープをたよりに斜面を降りるが、今回もまた途中で進路を見失って迷ってしまった。