大井川通信

大井川あたりの事ども

「やっこみー」におまかせ!

久しぶりに「やっこみー」で会食する。

メンバーは三人。ヒラトモ様参道脇で農園をするアツコさん(ひろちゃんの娘さん)と、その友人で実家で老人ホームを経営するコノミさんだ。それに僕の名前を組み合わせて、この集まりに「やっこみー」というニックネームをつけたのは、僕の子どもじみた思いつきだ。

ただ、今回、ファミレスでの集まりで、席に着くと同時に、まずは機先を制そうと、身体でアルファベット三文字(Y、Ⅽ、M)を作ったとき、二人ともほぼ遅れずに全く同じポーズをしたノリの良さはさすがだった。アツコさん曰く、(西城秀樹ヤングマン」の)YMCA世代だからとのこと。なるほど。

二人は、大井川歩きによって出会えた人脈だ。ヒラトモ様という現代ではまったくさびれた神様のお参りの途中で、たまたま挨拶したのがお母さんのカズコさんだった。カズコさんから夫のひろちゃんを紹介されて、それ以降、ひろちゃんとは僕の大井川歩きの「顧問」としてお付き合いをいただいた。

僕は、実は勤務先の転勤で、ずいぶん前にひろちゃんとはニアミス(同業種なのだ)をしたことがある。カズコさんが経営する老人介護施設では、金光教東郷教会の教会長のお母さんが利用者さんだったりして、以前から金光教との縁を感じてはいたが、今回、お母さんのカズコさんの実家が金光教で今でも教会と付き合いがあることを知って、驚いた。

例によって、アツコさんの物真似(今回は実家の教会長さんなど)が炸裂する。90歳以上のおばあさんたちが個性的で面白かったという話になる。80歳代、70歳代のお年寄りたちは雰囲気がちがっていると。

今のムラの長老クラスがそのあたりの年齢だが、伝統や自然に対する敬意が極端に欠けているのではないか、という不満がでる。これは僕も体験的にうなずけるところだ。戦中派や焼け跡派と言われる世代で、敗戦後の混乱の中で過去の伝統が捨て去られたところに「高度経済成長」のイケイケどんどんの価値観を全身で浴びてしまった。鎮守の杜の神木に平気で毒液を流し込む神経は、そこから生まれたのだろう。

二人は僕より若いけれども、文系の大学を出た後、看護師資格を取ったりして、自然や社会、生き方に関する感覚が、上の世代よりもはるかに豊かだ。コノミさんのとんでもない行動力のおかげで、僕も「宅老所よりあい」の村瀨孝生さんや環境再生医の矢野智徳さんという、現代の二人の重要人物と地元で触れあうことができたのだ。

というわけで、これからもまだまだ「やっこみー」のお世話になりたいと思う。