大井川通信

大井川あたりの事ども

地方・まちづくり

『認知症をつくっているのは誰なのか』 村瀬孝生・東田勉 2016

二年前、「よりあいの森」を見学した時、買った本。ようやく読了した。村瀬さんの講演を聞いたばかりでもあり、本の内容は、頭にしみ込むようによく了解できた。 この本を読むと、介護の問題や認知症の問題、薬害の問題がよくわかるし、それが相当に良くない…

宅老所よりあい代表の村瀬孝生さんの話を聞く

2年ほど前、特別養護老人ホーム「よりあいの森」をグループで見学して、村瀬孝生さんから説明を受けたことがある。その時は、穏やかでたんたんとしていながら核心を突く語りに強い印象を受けた。著書にサインをいただいたりしたけれども、不勉強の僕は数冊…

『クルマを捨ててこそ地方は蘇る』 藤井聡 2017

クルマ社会の問題点を、網羅的に、かんで含めるようにわかりやすく説いた本。視野の広さと分析のバランスの良さは、驚くほどだ。とくに地方都市において、人々のクルマ依存が、郊外化をもたらし、結果的に地域の劣化と人口流出をもたらすメカニズムを、あら…

『稼ぐまちが地方を変える』 木下斉 2015

昨年から、地元のまちづくり関係のワークショップや話し合いの場に出るようにしている。そこで驚いたのが、若い不動産オーナーが、コミュニティやまちづくりの構想と実際の経営とを両立させていることだった。あるいは、古い空き家の再生や活用を、新たなマ…

「かっちぇて」という場所

片山健太さんと薫子さんのご夫婦が主催する「かっちぇて」(長崎弁で仲間に入れて、という意味)というたまり場について、ワークショップで二人から話を聞くことができた。 「かっちぇて」は、長崎の坂の街にある古民家で、ボロボロな状態で彼らが買い取って…

ニュータウンのアイデンティティ

郊外のリノベーションをめぐる連続講座で、今回は都市計画が専門の黒瀬武史さんの話を聞いた。デトロイトの住宅地の衰退と再生の試みの報告で、住宅地の衰退ぶりは驚くほどだが、一方再生のアイデアの大胆さにも驚かされた。 一つの都市をゼロから立ち上げて…

閉校する短大で

町にある短大が、来春で閉校するという。公開講座があったので、都合のつく日程で申し込んでみた。初めて入るキャンパスは駅近くの高台にあって、小規模だが周囲の自然も映えて感じがいい。 廃校となる学校の卒業生は、どんな思いを抱くのだろうか。古い感覚…

『小さい林業で稼ぐコツ』農文協編 2017

農家の仕事なら、ふだん目にするから、なんとなく想像できる。林業となると、見当もつかなかったが、近所の里山に出入りするようになると、植林された林や、伐倒の跡など、林業の痕跡を意外に身近に見ることができた。しかし、今、山が荒れているとよく耳に…

樋井川村から大井村へ

近所の大規模住宅団地で、今、ニュータウンのリノベーションの動きが起きている。先月から毎回ゲストを招いて「郊外暮らしの再成塾」が開催されていて、今月が株式会社樋井川村の村長を名乗る吉浦隆紀さんだった。所有と市場をベースに、おおきなうねりの発…