大井川通信

大井川あたりの事ども

2023-06-24から1日間の記事一覧

『運命』 国木田独歩 1906

国木田独歩(1871-1908)の第三短編集だが、昨年に岩波文庫の新刊で出版されている。独歩の短編はどれも面白い。小説の巧みさというよりも、作品の根底にある認識の全うさ(プラス芥川の言う「柔かい心臓」)において際立っている。 『悪魔』(1903)は、田…