大井川通信

大井川あたりの事ども

鳥の巣をひろう

林の中で鳥の巣をひろった。初めてのことだ。

小さなどんぶりくらいのサイズで、真中に直径5センチメートルくらいのきれいな半円の穴が作られている。内側は茶色の細い植物の繊維のようなもので編まれているが、外側は白っぽい材料が目立って、編み方も雑になっている。人工のビニール繊維にも見えるが、どこから集めたのかちょっと見当がつかない。

持ち帰りながら、どんな小鳥の巣なのか当てようと思った。かなり小さい鳥のはずだ。シジュウカラヤマガラ、もっと小さなエナガかと思ったが、はっきりと予想は出来なかった。

帰ってネットで見ると、大きさと形状から、メジロの巣とすぐにわかった。なるほど。メジロはとても小さくてかわいいし、このあたりでもよく見かける。

面白いのは、ネットの画像のどの巣も、茶色の植物系の巣材をベースに、外側に白っぽい巣材が取り巻いていることだ。クモの卵を包む糸を主な原料にしているらしい。この林にはジョロウグモならいくらでもいる。

習うということはないはずだ。親になると自然にそういう技術を発揮するのだろう。自然界はどれもそうして動いているのだろうが、やはり不思議な気持ちがする。