大井川通信

大井川あたりの事ども

雨の日の鳥/晴れの日の鳥

雨の日、津屋崎の安部さんの家に遊びに行こうと思って、用山の峠を抜けると、玄界灘が見渡せる下り坂の電線に大きい鳥が止まっている。トビかと思って通り過ぎたのだが、ちょっと違和感がある。少し先に車を停めて、双眼鏡で振り返ってみる。

トビよりずんぐりとしたダルマのような身体。トビなら全身茶褐色だが、お腹のあたりがだいぶ白っぽい。二年ぶりの、ノスリだ。近づこうとすると、悠然と山の方に飛んで行ってしまった。

坂を下りきって、だだっ広い農耕地の中の国道を走る。道の脇の電線に、カラスが集まっている。なんということのない風景。でもカラスが少し小ぶりなのが気になり、走りながら咄嗟に下の枯れ田に目を落としてみる。そこには、たくさんのカラスの姿が。見逃すところだったが、渡りをするミヤマガラスの大群だ。そろそろ大陸に帰る季節だから、今季の出会いはこれが最後になるかもしれない。

次の日は晴れ。通勤の途中、畑地で、ツグミが数羽集まっている姿を見かける。冬には単独行動をとるツグミが群れだしたら、これも渡りの兆候である。近くの電柱では、カササギが木の枝で丸い巣を建設途中だ。鳥たちにはあわただしい季節がやってきたのだ。