大井川通信

大井川あたりの事ども

人間には「自信」が必要である

ソシオン理論によると、「私」は三要素から成っている。私から見た他者の像(モデル)と、他者から見た私の像(評価)。そして、私の自己像(アイデンティティ)とが、その三つだ。

ふつう「私」というと、他者から独立した三つ目の要素のみをいうのが普通だろう。他者と連結した前二つの要素を「私」の構成部分として取り込んだところに、この理論のリアリティがある。

「私」の姿を虚心にみれば、たえず他者の姿を意識してそれをモデルとして取り込みながら、他者からの視線や評価や期待に一喜一憂しつつ生き続けている、というのが実態だろう。「私」が他者の姿や他者からの視線に振り回されすぎないためには、それらを上手に取り込みつつ、自己の同一性を更新し続ける三つ目の要素に十分な力(ソシオン理論ではこれを「荷重」とよぶ)がないといけない。

それは日常語でいえば、「自信がある」ということだろうし、その中身を哲学的に言えば「Ican(私はできる)」ということになるかもしれない。

僕にだって、モデルはことかかない。大手製薬創業家ゆかりのカフェ主人も、すでに僕のモデルだ。幸い、今回は周りからの多少の期待もある。では、自信はどうだろう。

この三年間で書いた1000個のブログ記事も、僕にとっては、その背後の暮らしの実践や思考とともに「書くことができた」という自信の源泉になってくれるかもしれない。