大井川通信

大井川あたりの事ども

大風のなかのチョウゲンポウ

冬の嵐のような大風の中、自在に飛び回る鷹を見て、気持ちが高まったという話。

僕の住むあたりより山側の集落で車を走らせているとき、鷹らしき鳥の姿が目に留まったので道路わきに車をとめて、単眼鏡をもって外に出た。

鷹は二羽いる。細長い翼の先がとがっていて、それを後方にギュッと曲げた姿は、ツバメのシルエットかバットマンのサインみたいだ。尾羽も長く、スマートに伸びている。体の色は、全体に明るく薄い茶色に見える。

電柱の上に構えていて、冬枯れの畑に飛び出していく。地面に身を伏せる。向かい風の中、翼をばたつかせてホバリングをする。突然、風に乗って集落の方へ大きく迂回し、再び畑に戻ってくる。

自由自在な飛び方は、ツバメにも似ている。体を大きく使うためか、ハト大という実寸よりずいぶん大きく見える瞬間がある。

僕の中にも、生きるための戦いや狩りに反応する部分があるためだろうか、猛禽類の姿には心が躍る。