大井川通信

大井川あたりの事ども

冬晴れの鳥たち

年末から年始にかけてのしつこい風邪と、年明けの寒波や大雪の影響で家に閉じこもりがちとなり、大井の周辺をゆっくり歩くのは、一月も終わりになってしまった。さいわい冬晴れで日差しの暖かな午後だ。

住宅街を下りていくと、さっそく林の暗がりにアオジの姿がある。冬枯れの田んぼには、ツグミムクドリヒヨドリの群れが目立つ。田んぼの上の電線では、モズがそれぞれの縄張りを守っている。数えたら、5羽に出会えた。電線が無くなってしまったら、小鳥たちも生活しにくくなるだろうと、ふと思う。

モズのはやにえを見つけた有刺鉄線のある場所を訪ねると、干からびたカエルもトンボも痕跡さえなくなっていた。やはり食料になったと考えるべきだろうか。

田んぼの水路で、突然足元にカワセミが飛び出して、ずっと遠くまで一直線で飛んでいく。日差しに輝くブルーの背中の鮮やかさ。

高台の畑を歩いていると、鎮守の杜から飛び出してきた茶色の鳥が、ふわっと地面に降り経つと、すぐに飛び立って林に戻っていく。長く細い翼の両方の先が、鋭くとがって曲がっているのが目に入る。ハヤブサの仲間のチョウゲンボウだ。

再び田んぼに下りると、ハクセキレイの姿がある。あごひげを生やした思慮深い老人のようなアオサギも畦道に佇んでいる。

街中に入ろうとヤツナミ川にかかる橋を渡る。僕が無意識にコーヒーの空き缶をパチパチと指でつぶすと、その音を仲間への警戒音と勘違いしてか、カルガモたちがきょろきょろしだした。