2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
ジュッ ジュッ ジュッ 昼休みに、笹薮でせわしなく動くウグイスを見かける。 くすんだ薄い緑の羽。目元の黒いラインはりりしい。
物語を生み出すのが、対象化の働きなら、ゼロ記号は、拡散する舞台を一つにつなぎとめる。それは、いわば非対象化の働きだ。 恩師が編んだ概念で、思考する喜び。
初戯曲のミニ芝居は、成功裡に終わった。勉強会の場所が、百年の歴史を持つ旧旅館で、虚構のネタに事欠かなかったから。年末のテレビで、蜷川幸雄も言ってたっけ。記憶を組織するのがよい芝居、と。
三人の勉強会用に、簡単な芝居の台本を書く。その場で実際に演じてから、演劇を論じ合う、という試み。日常の居室を舞台へと転轍するためには、意味を欠いたゼロ記号の配備が不可欠、と実感した。
今年で子育てが終わる。 夫婦で、昔子どもたちを遊具で遊ばせた公園を散歩してみる。 冬日が暖かい。 近くの神社まで足を伸ばすと、神様の前で、狛犬と一緒に石のナマズが向きあっていた。
CDで埴谷雄高の洒脱な語りを聞く。 台湾での少年時代、空気銃でスズメを撃ち落とした経験が、自分の文学につながっている、と。 しかし、そのスズメは比喩であって、本物の他者でないようにも思える。鳥を眺めながら、ただ暮らしている者からすると。
部屋を片付けていたら、吉本隆明の講演CDが出て来た。 胎児期をふくむ母子関係からすべてを語っていく、重機のような論理。 たしかに、乱暴さが言葉を輝かすことも、あるにはある。
神社の崖下の草むらに、ミヤマホオジロが来ている。 スズメのような地味な身体に、派手な黄色いマスクをかぶって。 真っ黒なサングラスに、逆立てた髪。 小鳥レスラーのマスクマン。
1年以上ぶりに、クロスミ様にお参りする。初詣になるので、梅酒の小瓶をおそなえして。 林道の途中で、初めてウソに出会った。黒い頭に鮮やかな朱色のマフラーを巻いたような、天神様のあの小鳥。 アトリの冬羽の雄や、アオジ、シロハラにも会えて、里山に…