大井川通信

大井川あたりの事ども

カービィとおにぎり

僕が食い意地がはった人間であることは、何度か書いている。まだ日本が貧しかった60年代に、富裕とはいえない家庭に育った者の宿命と、自分勝手に解釈してあきらめているが、ポストモダンの飽食の時代に育った息子たちの食べ物へのライトな感覚には、あぜんとしてしまうことが多い。

その息子から、お父さんはカービィみたいだと言われる。

カービィは、ゲームのキャラクターで、ピンクで小さい丸い姿をしているけれども、敵やモノなど何でも吸い込む能力があるそうだ。子どもたちが小さいころ、アニメ版の『星のカービィ』をいっしょに見ていた記憶がある。

食べられるものなら、何でもカービィみたいに吸い込むように食べてしまう。言われてみればなるほどそのとおりだが、ほめられた話ではない。カービィのように、吐き出して武器にすることができるわけでもない。

コロナ対策で家に閉じこもっていて体重が増えたので、職場で注文するカロリーの高いお弁当は控えようと思い、通勤途中のコンビニで車を停めて、お握りとサラダを買う。ところが助手席にコンビニの袋を置いて、車が走り出すと、我がカービィは、たちどころにお握りを吸い込んでしまう。

結局、職場ではお弁当を注文し、昼休みにサラダといっしょに食べた。結局、一食分余計なカロリーを取りこんだになる。やれやれ。自虐ネタを書いている場合ではない。本当に命取りになってしまうかも。