大井川通信

大井川あたりの事ども

近隣トラブル再び勃発か?!(後半戦)

一斉清掃の朝、公園で隣家の御主人と顔を合わせる。我が家もそうだが、自治会の清掃に旦那さんだけが出てくる家は、なんとなく奥さんに主導権を握られている家のような気がする。

こういうときはためらわずにご主人のもとに挨拶に行って、例の件を話し、清掃のあとで現場を見せてもらうように話をする。公民館の清掃では、同じ自治会で気楽に話ができる数少ない人と隣で草を刈りながら冗談を言ってリラックス。

一時間の清掃が終わると、隣家の御主人とつれだって、問題の駐車場へ。思ったよりブロック塀の亀裂は奥の部分だが(道からはとても見えない)、はじめてそれを見て、ちょっと安心した。というか拍子抜けした。

まずは、隣の敷地から見てブロック塀が思ったより低いということだった。コンクリートの低い基礎の上の5段積なので、小さな子どもの背丈くらい(1メートル強)の高さしかない。

一個所ブロックの継ぎ目が何ミリか離れているところがあって、これは僕も以前から草刈りなどするときに気づいていたが、そこから縦にすき間が続いているのだが、途中2段ほどは継ぎ目ではなくブロック本体に割れ目が迂回しており、地面近くではつぎめのひび割れ程度におさまっている。

縦に亀裂とひび割れがつながっているといっても、ブロック塀の高さがないのと、反対側は段差のある僕の敷地で、独立で建っている塀ではないから、崩れてくるような怖さは感じられない。土圧がかかって壁が隣家側に傾いている様子もない。

ただひび割れの原因がわからないと安心できないだろう。僕は、自分の敷地のことでは購入当時から懸念があったことを説明し、地盤調査もしてもらったことを説明する。

この土地はもともと里山の斜面だったところだが、いったん学校関係の施設で開発した場所を住宅地としてやりなおした地盤だ。だから切土ではなく盛土なのだが(ご主人は切土と思って安心していたようだ)、以前の施設には低いグラウンド部分とコンクリートの建物のあった高い地盤とがあった。

写真や図面でみるかぎり、どうやら我が家の敷地はこの段差の上をまたいでいるようなのだ。道路側の半分は盛り土の軟弱地盤、後ろ側の半分は切土に近い地盤ということになると、不同沈下が生じて、建物が道路側に傾斜してしまうことになる。実はこの点は建設当時から気になってはいたが、四半世紀の歳月をかけてその沈下(と影響)が目立つようになってきた気がする。

ちょうどブロック塀の亀裂と同じラインで、我が家のコンクリート基礎にもひび割れが生じているのを示すなどいくつかの証拠を見せることができたので、不同沈下によるひび割れ説に御主人も納得してくれたようだった。

最期に念を押したのは以下の事だ。ひび割れは道路側の沈下に引っ張られて生じたもので、その力は塀に沿って働いており、隣家にリスクが生じるような力(隣家側に倒壊するような力)が働いているわけではないこと。同時期に引っ越してきたときから悩んでいる地盤の問題であり、簡単には扱えない問題であるため、当面様子を見るしかできないこと。

家に戻ると、僕はほっとしたように妻に報告する。

ひび割れはたいしたことなく、原因もわかっていることを説明した。様子を見ると話しただけで、何かをすると期待を持たせる言い方はしていない。変に期待を持たせる言い方をしてお茶をにごすとあとあとトラブルになる。

あなたはこういう交渉事は上手いから、とめずらしく僕は妻からほめられて得意だった。