大井川通信

大井川あたりの事ども

年賀状を卒業する

定年になってから年賀状を辞めようとしていたが、今年はいよいよ自分の分の年賀状は一通も出さなかった。年末年始の年賀状の制作と対応は、長い間僕には頭の痛い問題だっただけに感慨深い。いったい誰に出すべきなのか、どんな内容がふさわしいのか、その辺の人間関係のバランス感覚のなさが僕の弱点なのだ。

今になってみると「積極奇異」(発達障害の一類型)の特徴とわかるが、妙に踏み込んだ内容の文章をつくって友人知人に送っていたこともあった。その時は得意だったが、新年早々くどくてしつこい文章を送り付けられた方はいい迷惑だったろう。

ただ、そんなもろもろの悩みもようやく終わったのだ。

といっても、年賀状作成の仕事がなくなったわけではない。障害のある次男のつながりづくりのために、お世話になった学生ボランティアや先生方に、年賀状を兼ねて近況報告をずっと送ってきたのだ。飽きっぽくいい加減な僕としては、これだけはしっかりと続けてきている。これに併せて妻の親戚や友人への年賀状もあわせて作ってきた。次男の分が10枚強、妻の分も同じくらいだ。

毎年、一枚選んだ写真に今年の出来事の報告を添えるのだが、年賀状作成ソフトを使えばわけはないし、あて名書きの印刷も名簿通りにしてくれる。ただ今年は、ノートパソコンを替えている。送付先の名簿はパソコンから取り出していない。久しぶりに旧パソコンを立ち上げても稼働が極端におそいし、年賀状ソフトの指示通りにデータの移行手続きをするのが一苦労だった。

新パソコンにも同じソフトがインストールされているので、データの入ったUSBキーを差し込んで、指示通りに作業すると、こんどは一瞬で作業は終了する。あとは、去年撮ったものから母子の写真を一枚選んで、画像データをパソコンに転送してレイアウトをととのえ、文面を打ちかえれば完成だ。送付先は固定されているし増えることもないだろうから、家族のための気楽な軽作業にすぎない。