大井川通信

大井川あたりの事ども

お盆に

お盆の休日に、長男を博多のマンションに迎えに行く。家族四人そろって、妻の親族の墓のある東長寺にお参り。空海が作った古いお寺だが、新しく大仏や五重塔を設けるなど不思議な活気がある。

妻の実家のあった呉服町に車を停めて、幼児の頃遊び場だったという本岳寺に参る。少し歩いて(この辺りはお寺ばかり)、一行寺の夢野久作の墓に家族を案内。知人の実家だというお茶屋さんに寄って冷たいお茶をいただく。通学路沿いの西門蒲鉾で一口サイズのカマボコを買って家族で食べ歩き。この店がチューリップのドラマーの実家でいつも練習していたという妻の定番のネタも、昔のバンド過ぎて子どもの心には響かない。

子どもの頃落ちたというマンホールを子どもに教えたりして、妻もどこか興奮気味だ。自分の育った土地はそういうものだろう。

帰り道、車でかつて住んだ唐原のアパートの横を通って、長男がよく遊んだ(2歳だから彼には記憶はない)公園の近くの入り組んだ高台に入る。車窓から夢野久作の書斎と住居のあった場所を長男に教える。『ドグラマグラ』がここで書かれたんだと。こんなことが、意外と彼の記憶にあとまで残るかもしれないと考えながら。