大井川通信

大井川あたりの事ども

次男の子育て(寮生活)

「次男の子育て」をテーマにした連載記事が、しばらく中断していた。彼も成人して立派な社会人となっているが、親としての関わり(子育て)は継続中だ。ここにきて、その面でも大きな変化が生じている。タイトルだけ決めていた以前の記事を再び書き始めることにする。

 

高校に合格すると、寮生活が始まった。初めて親元を離れて寮に寝泊まりするようになったときの次男の不安そうな表情をよく覚えている。

寮生活といっても、金曜の夜には自宅に帰って、土日を家で過ごし、月曜に登校する。入学して一か月くらいは、交通機関に慣れさせる目的で、母親が月曜と金曜の送り迎えの引率をした。黒崎駅でバスに乗り換えるのだが、駅ビルのサイゼリアでの食事が親子の思い出になっているようだ。

寮4泊と自宅3泊のペースだが、初めて次男が家から何日もいなくなるのだから、親としてもずいぶんさみしかった。金曜の帰宅日を心待ちにしていたのを覚えている。大学生の長男が家に寄り付かなくなった時期と重なったため、子どもの姿がなくなって、ぐんと家がさみしくなったのだ。次男にとっても、異学年の生徒も含む4人部屋での生活はなかなかハードだったと思う。

学期が終わって長期休暇に入るときには、布団などの持ち物一式を持ち帰って部屋をからにしないといけない。逆に新学期には、生活道具一切を持ち込むことになる。車での荷物の出し入れが我が家の年中行事で、その時寮に出入りすることで次男の生活を垣間見ることができた。だから卒業時の最後の搬出は、それなりに感慨深かった。

学校の職員室とは別に、寮には職員室があってそこに担当の先生がつめている。昼と夜で二重に指導を受けることができたわけで、三年間とはいえ、ずいぶんと充実した学校生活だったと思う。

次男も後輩から頼りにされるたくましい一面や、禁止のゲーム機を持ち込んで親が呼び出されるというずぶとい一面も見せたりした。その時親子で指導を受けた寮の先生は、次男も慕っている先生だったが、のちに先生の息子さんと僕が講習で同席するというミラクルが起きたりもした。