次男自身の口にした言葉をかき取ったメモが見つかった。小学校二年生の終わりから、小学校三年生にかけての時期。
小学校に入学してもしばらくは、独り言みたいな意味の取れない言葉が大半だった次男も、このころから、ようやく意味のある言葉をしゃべるようになって、親としてそれが嬉しかったのだろう。しかし、その分、本人にとっては、世界の中の自分の姿を発見するようになって、つらい自覚も生まれたのだと思う。
2006年 12月5日
生活で、パンケーキつくりました。(父親の車で学童保育「てんとう」から帰宅してから、不意に自分から話す)
12月6日
サンタクロースから、二個ゲットしたよ。東小学校で。(紙風船をたたきながら。昼間、学校で〇〇東小学校に行ったらしい)
12月21日
(新刊のコロコロコミックを本屋で見せると)買って、買って、買って。おにいちゃんもよろこぶよ。
(お風呂に入るから裸になれというと)そんなことしたら、女の子がキャーキャーいうよ。
1月15日
(今日は何の勉強をしたの、と車の中で聞くと)せいかつ、こくご・・・さんすう、そしておんがく。おんがくはむずかしかった。おれは、ちからあるみたい。木のぼりパワーがでた。
(銃の玉を踏んで、ママが痛がったので、長男が次男も謝りなさいと言ったとき)
これ、おにいちゃんの買った銃でしょ。なんで僕があやまらないといけないの。
2月2日
(迎えの車のなかで)おれ、体育で「鬼まめ」したよ。
(テレビの途中、思い出したように自分の部屋に父親を連れていこうとして)忘れてた。ランドセルの中に、100点があった。
2月6日
(朝、学校に行く前に、病院にいくという説明を聞いて)第一に、病院にいくだけ。第二に、病院を見るだけ。(先生に診せる、ということか)第三に、学校に行くだけ。(朝、なんとか宿題をして)これで、学校に行ける。
5月20日
学校ではいつも一人で遊んでいる。おれ、仲間いない。あきら君だけ、仲間がいる。でもムカイとテツヤに、仲間とられちゃったけど。
2007年 1月6日
友達はいない。一人でいる。ぶらんこだけ。でもだいじょうぶだよ。