みんちょとは、言わずと知れているわけではないが、ハードロックバンドBand-Maidのギタリストにしてコンポーザーの愛称である。僕は、2月末に彼女たちの音楽に出会って以来、9カ月に渡って毎日聴き続けているのだが、音楽好きでもない僕にそうさせているのは、このバンドが様々な魅力を持っているからだろう。
その最大のものが、みんちょのたぐいまれな作曲能力であることは、ファンの間で定説となっている。ハードロックに似つかわしくない、小柄で可愛らしいお嬢様のような風貌と人柄なのだが、どことなくバランスを欠いた「危ない」印象を受ける。才能があるってそういうことなのだろうと思うが、しかし、今日書きたいのはそういうことではない。
ネットで動画などをあさると、みんちょの愛称が、本名の「かなみ」から「かなみんちょ」へ変わり、頭の部分が取れて「みんちょ」に落ち着いたことがなんとなくわかる。ただし彼女の場合は、アイドルではなく海外のファンが多い（つまり日本のアイドルオタクのように統率が取れない）ためもあるのだろうが、三つの呼び名が現役で混在している印象を受ける。
この愛称変化のプロセスが、我が家の長男の場合とよく似ているのだ。
長男は、女の子だったら「かな」と名付けたいと妻が思っていたため、お腹にいるときから「かなちゃん」と呼ばれていたが、男の子とわかり仕方なく「かなのすけ」と呼ぶようになった。本名は別につけたのだが、愛称としてはこれが残り、やがて頭の部分がとれて「のすけ」となる。赤ちゃんから幼児のある時期までは、この愛称で呼ばれていた。
二音や三音の名前の場合、その後ろに何か言葉を足して愛称にした方が呼びやすい。しかし、定番の四音を超えるような愛称は、繰り返し呼ばれるうちに自然と前の部分が取れて、四音以内に収まってしまう。こんなふうに愛称変化を一般化することができるかもしれない。
