大井川通信

大井川あたりの事ども

『背骨コンディショニング』 日野秀彦 2014

今回のコロナ禍を体験して、自分が身体によって支えられていること、というかそもそも身体そのものであること、にもかかわらず、従来それをブラックボックスにしてしまって、それを故意に無視して暮らしてきたことを痛感した。

このブラックボックスをこじあけてみたい、というのは知的関心によるものだけではない。組織を離れて、主体的に生きていくことを決意したからには、何より主体そのものである身体をメンテナンスし、それを持たせないといけない。

しかし、この分野はまったく未知の領域で素人以下であり、おそらく試行錯誤や迷走は避けられないし、避ける必要もないだろう。そこで、ブックオフの安売りコーナーで、何冊か使えそうで、きれいな状態の本を購入してみた。

これはその一冊で、とりあえず読み終えることができ、この本が推奨する四つの運動をしばらく続けることができたので、報告してみる。

上半身を下半身をつなぐ唯一の骨である「仙骨」がゆがみ、その歪みによって神経が引っ張られることで起こる「伝達異常」に基づく症状を、その歪みを矯正することで治す、というのがこの本の主張である。

僕は、以前から自分の骨盤のゆがみを自覚していて、そのために左右の足の長さが違ったりしているみたいなのだが、とりあえず「仙骨のゆがみ」原理主義というか、その一点突破みたいな理屈はわかりやすい。

理屈がシンプルだから、対策の運動もシンプルではあるが、きわめて特徴的であり、その狙いも明確だ。このため、僕のような運動音痴、三日坊主でも、覚えて続けることが出来ている。そして、なんだか効果があるような気がしている。

というわけで、とりあえず「身体」という記事のカテゴリーも新設した。ぼちぼち実践し、読みかつ考えていくことにしよう。