大井川通信

大井川あたりの事ども

馬が走る

やる気がわかないときは、ついついネットの動画をみて時間をつぶしてしまう。どんな動画をみるかは、その時のマイブームがあるが、このところ競馬の動画にはまっている。今まで馬券を買ったことは無いし、競馬場でレースを見たこともない。

実家は府中の東京競馬場の隣町だったし、小倉競馬場の近くに住んでいたこともある。だのに一度も競馬場に入ったこともない。今になって初めて急にそれが残念であるように思えてきた。

動画では、昔の名馬たちのレースを自由にみることができる。馬の名前を覚えると愛着がわくし、競馬にもいろいろな仕組みや組織、専門用語があることが分かってくる。それを覚えていくのも面白い。

何より馬という存在に魅力がある。健気に走る姿が美しい。ただもともと草食動物だから、それを戦う存在にすることに危うさがある。

寺山修司が競馬を好きだったことを思い出して、作品集から、競馬を主題にした短編を見つけて読んでみる。この十日ばかりのにわか勉強のおかげで、あふれかえる競馬用語にもなんとかついていける。読みながら、一時期自分が寺山がとても好きだったことを思い返す。

そして今日は、競馬に関心をもつようになって初めての天皇賞。予想の動画を見て、応援する馬を何となく決めて、ハラハラしながら結果をまつ。結果は出てしまえばそれまでだけれども、その前の予想や期待が楽しいのだろうと、競馬ファンの気持ちが少しわかった。