大井川通信

大井川あたりの事ども

介護初任者研修7日目と8日目

7日目は、排せつに関連した介護。おむつは最終手段であって、それが当人たちにとってどれほど具合の悪いものであるかが強調される。最後のおむつ交換の実技の前に、その原則が徹底的に刷り込まれるのだ。現場の実態が理想とは違うことは、講師の話からも伺えるが、しかし、こうした理念をしっかりと受け渡す機会が制度化されていることは、とても重要なことだと思う。

僕も受講前はたいして期待して居なくて、介護施設の副業みたいな感じのおざなりの研修であると思っていた。しかし、介護の初任者を育てるための制度と理念は、とてもしっかりしているし、それに魂を吹き込もうとするベテラン介護職員である講師たちがいる。目立たなく、地味だけれども、こうした人々の努力は、とても尊いと思う。限りなく尊い、という気さえする。

8日目は、入浴に関する介護の研修で、近くのデイサービスの施設を実際に見学した。講義の最後に、介護職の大切な原則を伝えてくれる。

まずは、自分を知ること。それが自分のコントロールや成長につながる。そして、他者を知ること。それが相手の尊重と人間関係の向上につながる。最後に、違いを受け入れること。対立やストレスを緩和し、職場のチーム力の向上にもつながるだろう。

おそらく、20年の自分の仕事の中から、つかみとった知恵なのだろう。きめられたプログラムの外で、こういう理念をさりげなく伝えられるのは、とても優れた人間的力量だと思う。受講生として、感謝しかない。