図書館で、思いつくままに何冊かの絵本を借りてくる。そのうちの一冊。
とある家で飼われている猫のファビアンと犬のホンドが主人公。二匹は、ふだんはそれぞれお気に入りの、窓枠の上と床の上で眠っている。
ホンドが飼い主に連れられて、海岸で犬のともだちと駆け回って遊ぶ。ファビアンは家の中でお留守番と女の子と遊んだり、トイレットペーパーでいたずらしたりする。一日が終わり、二匹は家で顔を合わせて、隣りでいっしょにご飯を食べ、それぞれお気に入りの場所で寝る、というだけのストーリー。
これだけのことが、ていねいで柔らかい絵で描かれていて、それがとてもいい。やりたいことも生活スタイルも違う二匹が、それぞれに幸せに暮らしている。そのあたりまえのことが、なにより大切なことであると気づかせてくれる。
猫と犬の満ち足りたような表情が秀逸。