大井川通信

大井川あたりの事ども

それぞれの再出発(子どもたち)

そんな妻のサポートを、昨秋家を出た長男が、何かと気を使ってやってくれている。先月買い換えたアンドロイドスマホが使えないという妻のために、安価でアイフォンを調達してくれたみたいだ。仕事や生活に余裕ができてきたのだろう。

5年前に特別支援学校を卒業して介護施設で働く次男には、賞与がほとんど出ていなかった。正規職員で雇われているのだから、それ以上は望めないと思っていたが、内心少しかわいそうだった。ところが最近、次男の通帳を見ていたら、昨年から年二回ある程度の賞与が支給されていることに気づいた。

勤続年数とかの規定を満たしたのだろう。次男にいうと、知っていたよと涼しい顔でいう。近ごろは、仕事の愚痴を口にしなくなった。

今でも家族の話題の中心は二匹の猫だ。というより、もっとも主要な家族のメンバーといっていい。二匹の関係は、相変わらずつかず離れずだけれども、二匹とも幸せそうだ。ちょっと気難しい九太郎は、何より妻へ忠誠を尽くしている。オープンマインドのリボンちゃんは、誰に対しても可愛さ全開だ。

玄関に面した和室の障子の一部をはがして、猫のための窓にした。それだけだと見栄えが悪いので、妻が障子の外側に絵を描いて、猫の家に見立てている。夫婦で出かけるとき、その窓に顔を出して見送ってくれるのは、妻のことが大好きな九太郎だ。

こんなふうに我が家は今のところ順調だ。もちろんいつまでも良いことばかりが続くわけはない。ただ今は、毎日に感謝するのみ。