大井川通信

大井川あたりの事ども

こんな夢をみた(くにたち散歩)

国立の実家に戻っている。早朝、街を歩く。住宅街の中に謎のスペースがあるという事前情報を思い出して、その小さな空き地に行ってみるが、古い壁の一部が残っているくらいで手がかりとなるものは何もなかった。

大学通りまでくると、歩道ギリギリまで新築の家が建て込んでいる。妙に高いなと思って数えると、4階建てや5階建ての住宅が見下ろしていて、圧迫感があるし、その家の子どもたちが歩道にものを広げて遊んでいて歩きにくい。家には子供向けのキャラが描かれたビニール幕みたいなものが吊るされていて、こういうのは近所同士張り合うものだよな、などと考える。

富士見台団地までくると、昔のアーケード街が名前だけリニューアルされているが、人はまばらだ。パールセンターがハワイアン何とかという風に。昔この場所にくると独特のにおいがしたなと思い出し、嗅いでみるとかすかにその匂いがした。

そこから西に進み、隣町の府中に近い住宅街に入る。いつのまにか吉田さん(勉強会仲間)と一緒に歩いている。(帰省に同行してもらったという設定にようだ)吉田さんは相変わらず機械に強く、街角の消火栓を開いて、この形式は珍しいと喜んでいる。

ここまで来たら、山口瞳の旧宅を案内しようとするが、念のために聞いてみると、すでに連れて行ってもらったことがあると言われて、忘れていた自分がちょっと恥ずかしい。嵐山光三郎の家はどうかと言うと、それは未見だという。

府中市にある嵐山光三郎の家に向かう途中、吉田さんは嵐山に興味がないかもしれないと気づいて、彼のことを知っているかと聞くと、何とかでアールの人ですよね、という。そう、何とかでアール。昔テレビでその独特の文体を披露していた。すると僕らのすぐ前を歩いていた見知らぬおやじが、そのやりとりを聞いてにやりと笑った。