大井川通信

大井川あたりの事ども

本の並べ方

書類やファイル、情報の整理というのは難しい。僕はとくにそれが大の苦手だ。本を集めたりながめたり時々読んだりするのは僕の唯一の趣味だから、本の整理だけはそこそこしているが、満足のいく並べ方ができているわけではない。

メインの本棚が4本あって、リビングや自室、物置部屋に分散して配置してある。この本棚には、単行本がそれぞれなんとなくジャンル別のかたまりをつくって配架してあるが、図書館の分類のように厳密なものではなく、似た本同士がくっついて自生的にできた秩序みたいなものだ。

それ以外に、大小の収納棚やボックスが15個ほど、自室とリビングと物置のあちこちの隙間に配置してある。これには主に新書と文庫や漫画がたいてい出版社別に収められている。そこからあふれた単行本が、自室のテーブルや寝室の箪笥の上に居場所を確保している。整理しても捨てかねた本などを詰め込んだ段ボール箱が物置部屋に積み重ねられている。

ところで、以前流行った整理法で、書類をいちいち分類せずに、処理順に時系列で並べておくだけで自ずと重要度が明らかになって整理がつくというものがあった。仕事でも一部取り入れて効果があったように思う。

10年ほど前からだが、その年に読んだ本を手帳にメモするだけではなく、特定の棚に読んだ順番に並べて置くということをするようになった。そのボリュームが読書の励みになるし、実際に目に触れる位置に置くことで読了間もない本の情報を(読み捨てではなく)再利用する可能性が高まるのだ。

やがてこの棚は単年度で崩さずに、スペースが許す限り数年分続けるようになる。有効な再利用のためにはその方が実用的だからだ。

この基本形が、ここ何年かで発展するようになった。まず、小説や詩歌の読書会に参加して、評論以外の本を自覚的に読むようになったため、時系列の読了本の棚が、「日本の小説」、「海外の小説」、「詩歌」、「評論等」の4本に分かれた。これ以外に、職場に仕事関連の読了本の棚を作っていた時期もあった。(この棚の本は退職後、持ち帰って段ボールに詰め込まれている)

最近、ドキュメンタリーの面白さに気づいたので、新たにこのジャンルで読了本の棚を設けようと考えている。